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独行法反対首都圏ネットワーク

☆◇21世紀COE  示したい大学の存在感
  [he-forum 4541] 山陽新聞社説10/04 
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『山陽新聞』社説  2002年10月4日付

◇21世紀COE  示したい大学の存在感


 先駆的な研究に予算を重点配分する文部科学省の「21世紀COEプログラ
ム」として、五十大学の百十三件の研究が選ばれた。

 COE(センター・オブ・エクセレンス)とは、卓越した拠点の意味。大学
院博士課程レベルが対象で、最高水準の研究拠点をめざす大学に予算を重点支
援し、個性ある大学づくりをしようというのがプログラムの狙いである。

 背景には、日本の大学に国際的な研究者が集まらず、逆に優秀な人材が海外
流失している現状への危機感があろう。当初は「トップ30大学構想」として
打ち出し、その後名称が変えられたが、生き残りをかけ申請した大学も多かっ
たはずだ。

 申請は百六十三大学から四百六十四件を数えた。だが、選ばれた研究は国立
大が三十一大学八十四件と大半を占め、これに対し私立大は十五大学二十五件
にとどまった。

 まさに“国高私低”の様子がまざまざだ。こうした結果は従来の「科学研究
費補助金」の配分割合と似た傾向で、関係者から「序列化を助長しただけ」と
の批判が聞かれても不思議はないであろう。

 審査は非公開、しかも公表したのは選ばれた大学名と研究テーマだけ。これ
では選に漏れた大学にとっては、理由も分からず、門前払いされたに等しい結
果ではないか。選考は、評価基準を公開するなど透明性を高める努力をしても
らいたい。

 21世紀COEは、すぐに世界的に競争力のある研究になるかどうかは別に
して、大学の高度化や研究教育活動の活性化にインパクトを与えるのは確か。
岡山大は今回選ばれなかったが、次回の挑戦では大学の存在感を十分に示すこ
とが大切だ。