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独行法反対首都圏ネットワーク

☆「審査に不透明さ」もれた大学に不満
 [he-forum 4539] 京都新聞10/02 
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『京都新聞』2002年10月2日付


「審査に不透明さ」もれた大学に不満も
 COEプロ 京滋は京大・立命館大のみ

 文部科学省が二日発表した「二十一世紀COEプログラム」で、京滋では京
都大と立命館大の二大学が選ばれ、多くの大学は選からもれた。当初の予想ど
おり「旧帝大」優位だったうえ、審査の過程や基準が不透明なことに、各大学
からは不満の声も上がっている。

 京都大は十一件で東京大と並んで最も多くのテーマが採択された。金田章裕
副学長は「(東大と平等に)数合わせをしたわけでなく、厳正な選考の結果と
思う」とする。

 他の大学からは科研費の配分順位など旧来の序列と変わらないとの批判があ
るが、金田副学長は「今回公募対象となった理系分野はもともと国立大が優勢。
ある程度仕方ないのでは」と話す。

 一方、立命館大は私大としては早稲田大、慶応大(各五件)に次いで多い三
件が採択された。「国立大のまねでなく、個性ある大学づくりを目指してきた
結果」と長田豊臣総長。私大唯一の放射光装置や伝統芸能のデジタル保存など、
特色ある研究活動が評価されたとする。

 今回、京滋からは、同志社大、龍谷大、京都産業大、京都工芸繊維大、京都
府立大、京都府立医科大、滋賀医科大なども応募したが、結局選ばれなかった。
また私大はほとんどが関東で、関西は立命館大と近畿大だけが選ばれた。

 COEを含め、大学改革を進めるには評価の公平性や透明性が必要不可欠の
はずだが、今回は評価の経緯などがほとんど明らかにされていない。龍谷大の
河村能夫副学長は、「百八十億円もの公金を使う以上、文科省は説明責任を果
たすべきだ。特に客観的評価が難しい人文科学系などはどんな指標を用いたの
か公表してほしい」と批判。京都工繊大は「選ばれた大学が五年後にどんな業
績を挙げたかも、きちんと公にすべきだ」(平山鋭副学長)と注文する。

 これに対し選考した委員会の江崎玲於奈委員長は「評価は主観的なもの。評
価者の見識に任せるしかない」としている。