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評価・選考に不信感 21世紀COEプログラム
共同通信ニュース速報
世界最高水準の研究を目指す「21世紀COEプログラム」は、
一連の大学改革の柱である「第三者評価による予算配分」を、初め
て本格的に実施する事業として注目された。
「国による大学のランク付けにつながる」と懸念され、研究公募
前から「国立大のバランスを取り私大にも配慮する」とささやかれ
たことから、選考経過の透明性の確保が最大の課題となったが、情
報開示が十分とはいえず、各大学には不信感も残った。
審査は非公開で、選定基準もあいまいだった上、公表したのは選
ばれた大学名と研究テーマだけ。個別の選定理由や評価の経緯に関
する説明はなかった。
選考した委員会の江崎玲於奈委員長は「評価は主観的なもの。評
価者の見識に任せるしかない」とする。
だが、百八十億円余の巨額の税金を投入する事業なのに、これで
は評価・選考過程の検証もできない。生き残りを懸けて応募し選に
漏れた大学にとっては、理由も分からず門前払いされたに等しい結
果となった。
選ばれた研究の数で大学の順位を付けると、従来の「科学研究費
補助金」の額の順位と似た傾向で「序列化を助長しただけ」との批
判も出ている。
この事業を含めた大学改革の背景には、研究分野での国際競争力
低下を懸念する産業界の要請がある。「競争原理の導入で意欲的な
研究を促す」との発想だ。
しかし、公平な競争の根幹となる「第三者評価」への信頼がぐら
つくようでは、改革も心もとない。
(了)
[2002-10-02-20:39]
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