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『北日本新聞』2002年9月24日付
こう着状態どう打開? 再編統合検討から1年
富山大、富山医薬大、高岡短大の県内国立大の再編統合問題は、新大学構想
で各大の意見がかみ合わず、論議はこう着状態にある。3学長が検討を始める
ことに合意して1年余りたった現在、新大学設立に向け、現状を改革する姿勢
に温度差があることが、話し合いが進まない一因。3大学は当初予定より遅い
平成16年度の統合を目指すが、国との折衝を考えると、年内には新大学の大ま
かな枠組みを決める必要がある。状況の打開に3学長の手腕が問われる。
先月30日、富山大で開かれた3大学の教職員対象の学長討論会。3人の意見
は学部編成で異なり、教養教育の実施体制でも食い違った。今後の進め方では
富山大が「一刻も早く統合に合意を」とし、富山医薬大、高岡短大側は「新大
学のイメージを共通認識できなければ合意はできない」。参加した教職員から
は「この状態からどう歩み寄っていくのか」との声が漏れた。
3大学の学長は昨年8月下旬、再編統合の検討開始に合意。その後、富山大
の学長交代などを経てことし3月、再編統合を進める合意書に調印した。4月
から各大学の幹部による「新大学構想協議会」を開いているが、具体的な構想
はまだまとまっていない。
話し合いが進まない理由として富山医薬大、高岡短大からは「規模の大きい
富山大が基本的に現状維持を訴え、改革の姿勢が見えないからだ」との声が上
がる。これに対し、滝沢弘富山大学長は「富山大が考える学部編成は今と変わ
らないと言うが、学部の中味は変え、改革している」と言う。
今後約3カ月で新大学の柱となる部分を固めるには、学部と大学院の編成、
教養教育の体制などポイントを絞って話し合い、統合後も含め中期的に改革を
考えていくのが現実的との意見が強い。
高久晃富山医薬大学長は「年内にまとめるという認識はある」と話し、蝋山
昌一高岡短大学長は「それぞれが譲歩案を持ち寄り、一本化する作業が必要」
と言う。滝沢富山大学長は「歩み寄りはするが、基本的な考えは理解してほし
い」としている。
7回目の新大学構想協議会は25日に開かれる。 |