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山大教育学部、学長「担当校」断念を表明
 [he-forum 4508] 山形新聞09/29 
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『山形新聞』2002年9月29日付

山大教育学部、学長「担当校」断念を表明


 南東北の3大学間再編協議に伴い、教育学部の存続問題で揺れる山形大の仙
道富士郎学長は28日、山形市の山形国際ホテルで開催した山形大運営諮問会議
で、「教育学部は地域貢献型の学部になり、(その中に)教員養成機能を残す。
例えば地域総合学部など、地域をキーワードに考えていく」と述べ、5月の教
育学部教授会で決定した通り、再編の受け皿になる「担当校」を断念する考え
を表明した。近く大学としての新学部構想を取りまとめ、県と事務レベル協議
に着手する考えだが、高橋和雄知事ら県側の反発を招くのは必至だ。

 文部科学省の方針を受けた教育学部の再編問題について、仙道学長がこれま
での経過を報告。これに対し、複数の委員が「どのような新学部に切り替えよ
うとしているのかポリシーがない」「どんなビジョンを持っているのかはっき
りしない」として、明確な説明を求めた。

 仙道学長は「教育学部は地域貢献型の学部になると思う。教員養成機能をあ
る程度残す必要があるが、芸術、スポーツを中心とした地域の文化に貢献した
り、地域行政に携わるような学生を育てる。例えば地域総合学部など、地域を
キーワードに考えていく」と踏み込んだ。

 その一方で「はっきり申し上げて、担当校はなかなか大変かもしれないが、
新しいものをつくる一つのファクター(要素)として、県の案を検討する」と
述べ、県の提案内容を新学部で部分的に受け入れる余地があるとの考えも示し
た。

 会議の終了後、仙道学長は報道陣に対し「学長個人の見解として」と前置き
して「(地元の要望を踏まえ)小学校の教員養成を主たる目的とする課程をつ
くらなければならないが、(国立大再編後の教員養成課程の総入学定員)1万
人の中に入ろうとするとなかなか難しい」と語り、再編協議が継続中の南東北
3県で、宮城教育大と山形大が担当校として並び立つのは現実的ではないとの
見解を表明した。

 時期的なことについては「大学全体の構想は難しいが、教員養成に関しては、
そんなに待っていられる話ではない。次回の三者(山形大、県、山形市)懇談
会に提示するのが努力目標。なるべく早く事務的な折衝を始め、交渉舞台に乗
せたい」と展望した。

 山形大運営諮問会議 大学審議会の答申に基づき2000年4月に設置。教育の
基本的計画、大学の運営に客観的な意見を反映させるため、県内外の有識者10
人で構成。学長の諮問に応じて必要事項を審議し、学長に対し助言と勧告を行
う。評議会とともに最重要視される機関。28日の第6回会合は本年度の初会合。
県の金森義弘副知事と木村宰教育長が委員。委員長は県企業振興公社プロジェ
クトマネジャーの水戸部知巳氏。