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独行法反対首都圏ネットワーク

☆東京大学職員組合第101回定期総会宣言
  202.10.31 独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局
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総会宣言

 国立大学の独法化・「法人化」問題は、重要な局面にさしかかっています。本年3月末
に提出された文部科学省調査検討会議の「最終報告」に基づいて、来年1月からの通常国
会には法人化法案が提出されると見られてきました。しかし、いま文科省の法人化政策は
重大な隘路に逢着しています。文科省と財務省、経済財政諮問会議などの間の矛盾が噴出
しているのです。いうまでもなく、これは「法人化」政策そのものがもっていた誤りによ
るものにほかなりません。
 わたしたちは、国立大学の「法人化」に強く反対しつづけてきました。「法人化」は、
大学の自治や研究教育の自主性を侵し、大学の本来の機能を衰弱させる可能性があるから
です。また、「最終報告」で採用された「非公務員化」は、大学に働く者の雇用を脅かし、
大学の活力を減退させることになるからです。この4月以降、大学内では、事実上「法人
化」準備のための「中期目標・中期計画」づくりや資産評価の作業がはじめられました。
わたしたちは、法律ができていないなかですすめられているこうした準備作業に反対して
きました。それは問題の多い「法人化」の既成事実をつくりあげるものにほかならないか
らです。
 わたしたちは、「法人化」ではなく、国立大学の真の改革を要求します。高等教育は、
本来的に公共的な性質を有するものであり、時々の政府の政策や産業界の要請に左右され
てはなりません。大学は、自由な研究と教育をつうじて普遍的な学問と科学、文化を創造
する場です。そのことによって、大学は、人類の営みを継承し、発展させてきました。大
学が社会や国民に貢献するのも、大学がそのような大学本来の使命を達成することによっ
てです。そのためには、また、大学には、自主的な教育と研究の場として、高度の自治と
大学運営における民主制が保障されなければなりません。大学のそのような任務は、各職
種の教職員と学生との間の相互信頼に基づく協力と共同の関係を築き上げることによって
達成されるはずです。こうしたあるべき大学の見地からは、今日の国立大学の現状はかな
らずしも十分なものではありません。しかし、「法人化」や時として語られる「民営化」
は、これと正反対のものです。それは、大学を崩壊に導きかねません。
 わたしたちは、東京大学が、さらに国立大学、すべての大学がよりよい大学に発展する
ことをめざします。独法化・「法人化」のための立法に断固反対します。また、わたした
ちは、よりよい職場、よりよい労働条件をめざします。わたしたちは、働きがいのある仕
事、社会的に意味のある仕事をめざします。本来のあるべき大学をつくりあげることによ
って、研究と教育にかかわるわたしたちの仕事の意味と価値が発揮されます。
 わたしたち東京大学職員組合は、東京大学に働くすべてのひとの意志と利益を代表する
組合になることを決意します。

2002年10月26日

東京大学職員組合第101回定期総会