独行法反対首都圏ネットワーク |
大学院で入試ミス相次ぐ 法人化準備で教員多忙
共同通信ニュース速報
大学院入試の出題ミスが相次いでいる。来春入学する院生を選抜
する試験で二十八日までに東大、京大を含む国立十四、公立二、私
立一の計十七校がミスを公表した。文部科学省は各大学にチェック
体制の強化を求める方針だ。
ミスが増えた理由について文科省は「富山大の入試ミス隠ぺいな
どで批判が高まり、細かなミスも発表するようになったのではない
か」と話す。
大学側は「学部入試に比べ専門性が高く、限られた教員で問題作
成、点検をせざるを得ない」と説明。関係者からは「国立大は二○
○四年の法人化準備などで教員が多忙になっていることも背景にあ
る」との声も出ている。
東大は七専攻で計十問のミスが見つかった。小間篤副学長は「研
究科単位で問題作成から合否判定までしているが、専門性が高い分
野では出題できる教員が数人しかいない」と実情を明かす。問題作
りから点検まで三段階に分けて作業しても、うち二段階の責任者が
同じ教員という研究科もあった。
三つの専攻でミスがあった福井大の山本富士夫工学研究科長は「
専門性の高さもあり教員が互いを信頼しきっていた」とチェックの
甘さを反省する。
東大の広渡清吾副学長は「法人化に向け、文科省に提出する中期
目標の策定などに追われている」と教員の多忙さを指摘。福井大の
山本研究科長も「入試の多様化で問題作りの負担が重くなっている
上、企業との連携などで大変忙しくなっている」と説明する。
文科省は「受験生にとって人生を左右する大きな問題。法人化準
備は言い訳にならない」と話している。
(了)
[2002-09-28-19:08]
|