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三者懇に学部の意向反映〜山大教育学部問題
  [he-forum 4496] 山形新聞ユース9/26
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山形新聞ニュース 2002年9月26日 木曜日
三者懇に学部の意向反映〜山大教育学部問題

 南東北3大学の再編統合協議で、存廃の岐路に立つ山形大教育学部は25日、教授会を開
き、6年間の一貫教育を柱とする県独自の試案を受けて対応を協議、仙道富士郎学長に対
する意見と要望を随時受け付け、学部内の委員会で試案内容への検討を加えるなど、大学
・県・山形市間の三者懇談会に教育学部の考えを反映させていく方針を決めた。

 一方、新学部移行を決定した5月の教授会決議の再考を求め、学部内の教官有志25人に
よる動議が提出されたが、採決は行われず、今後に火種を残す結果となった。

 これまで報道陣に口をつぐんできた石島庸男学部長らが同日午後6時から記者会見し、
教授会の内容を明らかにした。

 説明によると▽次回教授会から教員養成系大・学部の再編問題を協議題とする▽個人、
団体を問わず、学長に対する意見と要望を受け付ける▽文部科学省の「在り方懇」に基づ
き、学部内の将来計画検討委員会で県の試案内容について「勉強」する―などの点につい
て、大筋で了承を得た。

 石島学部長は「この次の教授会から大切な時期に入るので、(再編問題を)協議題とし
て議事に必ず据え、一つひとつ確認しながら進む」と強調した。

 教員の計画養成機能を維持することを断念し、新学部移行を決めた5月の教授会決定に
ついて、8月の教授会で「棚上げもあり得る」としたことについて、石島学部長は「条件
が整えば棚上げもあり得るが、(再編を進めようとする)文部科学省の考えに決定的な変
化はない」として態度を保留した。

 その一方で「文科省は独立行政法人化と(教員養成系大・学部の)再編の問題は違うス
ケジュールであると方針が変わってきた」と述べ、国の考えに変化の兆しが表れていると
して、慎重に推移を見守る考えを示した。

 県の試案内容については「学生の入学定員が60人、120人、さらに最大で530人と揺れて
いる」「6年間の一貫教育は、現行法に触れるところがある」として、受け入れには依然
として慎重な姿勢をみせた。

混乱の学部内ガス抜き図る
 【解説】再編問題について、これまで沈黙を守ってきた山形大教育学部の石島庸男学部
長が25日、ようやく口を開いた。学部の意見を県との協議に反映させるという説明内容は
、表面的には5月の教授会決定を盾に、かたくなだった姿勢が軟化したかのような印象を
受ける。しかし、この日の教授会で決定した内容を聞く限り、高まる県民の反発で混乱し
ている学部内の一時的な収束を図った「ガス抜き」との見方をするのが妥当だろう。

 最近は、石島学部長の側近からでさえ「学部長の考えが分からない」「もう支えきれな
い」との声が漏れ聞こえる。この日の教授会決定からは、学部内の全方位に妥協案を押し
付け、さらには「当面はしのごう」という思惑が見え隠れする。学部としての本音は、つ
いに伝わってこなかった。

 県の試案を踏まえ、どのような方向に進もうとしているのか。一時的な逃避のようで、
依然として学部としての主体性が感じられないのは残念だ。(報道部・古頭哲)
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