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中学教師の97%が教育改革に不満 国立研究所調査
朝日新聞ニュース速報
文部科学省が進める教育改革について、全国の公立中学校の教員、校長約6000人
のうち97%が、「もっと学校の現実をふまえた改革にしてほしい」と考えていること
が、国立教育政策研究所の研究者らの調査でわかった。「改革が速すぎて余裕をなくし
ている」と思う人も90%近い。進む改革と現場の意識のずれが浮き彫りになった。
調査したのは菊地栄治総括研究官ら。全国の公立中学校の20分の1にあたる513
校の校長と教員にこの3月、アンケートした。367校の校長320人、教員5610
人から回答を得た。
文科省は今春から、学校週5日制とともに小中学校で新学習指導要領を始め、教科内
容を3割削減しつつ、教科の枠にとらわれない総合的な学習の時間(総合学習)を盛り
込んだ。しかし、実施前から「学力低下を招く」と批判が起きたのを受け、学力向上策
に力を入れ始めた。
調査結果は21日、広島大学であった日本教育社会学会で発表された。
改革の評価について「もっと中学校の教育現場の現実をふまえた教育改革にしてほし
い」という項目に、「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた教員は97%、校長
は93%にのぼった。
「教育改革のペースが速すぎてじっくりと取り組む余裕をなくしている」については
、「とても」「やや」を合わせ、「そう思う」が教員は87%、校長は85%だった。
総合学習が生徒にプラスかどうかについては、「そう思う」と答えた教員は50%、
「そう思わない」が40%と割れた。
「どのような教育改革が進められるとよいと考えるか」という自由記述には校長の8
割、教員の5割が記入した。
最も多かったのは「机上の空論」「方針のぶれが大きい」「上からの押しつけ」とい
った改革のやりかたへの批判だ。校長、教員合わせ、記述のうちの29%にのぼる。
教科内容の削減への不安や、総合学習への反対など改革内容についての疑問を記した
ものは17%だった。
菊地総括研究官は「改革を担うのは学校。子どもと向き合っている教師の声を生かさ
なければ、実りが少ない。これまでの改革も、学校でやった結果を十分反映してこなか
った。現場の実感を改革に生かす道筋をつくる必要がある」と話している。
[2002-09-22-08:37]
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