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高等教育フォーラム 各位 9/9/02
山形大学 品川敦紀
9月6日〜8日岡山大学で開かれた全大教教研集会A3分科会(「教員養成」をめぐる現
状と今後の在り方)において、ある教育系単科大学の事務官より、この間、全国48教育
学部・大学のうち29大学・学部で、行政評価局による行政監察が進行しているとの発言
があった。
それによれば、教員養成のカリキュラムの詳細や卒業生の就職状況など、極めて詳細な
内容の監察がなされていると言うことであった。こういった全国一斉の大規模な行政監察
というのは、その後の報告により「非効率」のレッテルを貼った上、バッシングの材料と
して利用されてきた歴史があり、この間の行政監察は、教育学部統廃合を強力に進めるた
めの意図の下に進められているのではないかとの指摘がった。
そこで、行政評価局の平成14年度第2期行政評価計画を同局ホームページ(http://w
ww.soumu.go.jp/kansatu/020731_1.html)で見ると、このことがしっかり計画として掲げ
られていることが判明したので、いかに紹介する。
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平成14年度第2期行政評価等計画 平成14年7月31日 総務省
4 教員の養成、資質向上等に関する行政評価・監視
○ 調査の背景
近年、義務教育諸学校等における校内暴力、いじめ、不登校、学級崩壊などのいわゆ
る教育荒廃が問題となっており、学校教育や教員に対する保護者の信頼回復が喫緊の課題
となっている。
文部科学省においては、少子化に伴う小・中学校児童・生徒数の減少(平成4年度1,3
98万人、13年度1,129万人)により教員の採用数が減少(4年度18,826人、13年度7,806人
)していることから、10年度から12年度にかけて、国立の教員養成大学・学部(教員養成
課程)の入学定員を削減するとともに、13年6月には、同大学・学部の再編・統合を進め
ること等を内容とする「大学(国立大学)の構造改革の方針」を策定している。しかしな
がら、国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)における新規学卒者の教員への就職率
は、臨時任用を含めても、依然として30パーセント台で低迷しており、学部の統廃合を含
めた入学定員のより一層の削減が必要となっている。また、国立の教員養成大学・学部の
附属学校は、児童・生徒の教育に関する学部の研究への協力及び教育実習の実施を目的と
して設置されているが、これらの役割・機能が低下してきており、その在り方の見直しが
求められている。
さらに、文部科学省は、教員としてふさわしい資質能力を備えた優秀な人材を養成・
確保するとともに、向上意欲のある教員に機会を与える仕組みをつくるため、教員養成課
程における教職に係る科目の充実等のカリキュラムの見直し、教員採用選考に当たっての
人物評価重視、社会人登用等の教員採用方法の多様化、現職教員の再教育への支援等の措
置を講じてきているが、これらの取組状況等は十分なものとなっておらず、より一層の推
進が必要となっている。
この行政評価・監視は、以上のような状況を踏まえ、教員の資質の向上等を図る観点
から、教員の養成、採用、再教育等の状況について調査し、関係行政の改善に資するため
実施するものである。
○ 主要調査項目と調査の視点
1) 教員養成の実施状況
国立の教員養成大学・学部における教員養成の実施状況等を調査・検討
2) 教員採用の実施状況
都道府県教育委員会等における教員採用の実施状況を調査・検討
3) 教員の再教育等の実施状況
都道府県教育委員会等における教員の再教育等の実施状況を調査・検討
○ 主要調査対象
[調査対象機関]
文部科学省
[関連調査等対象機関]
都道府県教育委員会、市町村教育委員会、小学校、中学校、私立大学、関係団体等
○ 参考数字等
1) 国立教員養成大学数:48校(平成13年5月1日)
2) 公立小学校:2万3,719校、児童数718万2,433人、教員数40万2,802人(平成13年5
月1日)
3) 公立中学校:1万429校、生徒数372万4,711人、教員数24万1,526人(平成13年5月1日)
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