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独行法反対首都圏ネットワーク

産業界からみた大学評価手法の開発
  [he-forum 4441] 河合塾・三菱総研による評価
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2002年08月01日
学校法人 河合塾
株式会社 三菱総合研究所


産業界からみた大学評価手法の開発

経緯

経済産業省の外郭団体であるNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が
募集した平成14年度「大学活動評価手法調査」の公募に、学校法人河合塾
(愛知県名古屋市千種区今池2-1-10、理事長:河合弘登)と株式会社三菱総合
研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は共同で提案し、その
提案内容が7月23日に採択された。

経済産業省では、今後5年間で我が国独自の評価手法を開発する予定。産業競
争力向上の観点からみた評価のあり方の調査分析、評価手法の開発を行う。


調査目的

既に大学評価・学位授与機構や大学基準協会等による大学評価が実施されてい
るが、これらは教育・研究への取り組みに着目したものであり、大学自らが設
定した目標への達成度を評価する自己評価が基準となっている。

本調査で開発する評価手法では、産業競争力向上に資することを目的としてお
り、研究・教育サービスの受益者である産業界、学生の視点を加味して、客観
的な指標で機能別に理工系大学のポテンシャルを評価することを目指している。

河合塾はこれまで、大学生へのアンケート調査や研究者へのアンケート調査・
ヒアリング調査により、『日本の大学』(東洋経済新報社)や別冊宝島『学問
の鉄人 大学教授ランキング<文科系編>』などを刊行し、偏差値やブランド
とは関係のない大学の研究・教育の特色を受験生や社会に伝えてきた。また、
理科系についても、独自の分類による研究分野ごとにすぐれた大学を紹介する
別冊宝島『わかる!学問の最先端〜大学ランキング(理科系編)』を昨春刊行
した。さらに現在、その公開情報に加えて、注目研究者などの情報を含めた
Webサイト「河合塾・科学ミュージアム」の公開や、新しい出版物の刊行も順
次行っていく予定である。今回の調査により、実社会・産業界との関連でも大
学が捉えられるようになれば、さらに多様な、そしてリアルな大学の姿が紹介
できるようになると期待している。

三菱総合研究所は、これまでの調査活動を通じて、わが国の産業競争力向上に
不可欠な産学連携を促進するための方策の一つとして、大学側に産業界からの
ニーズや評価を適切にフィードバックする場が必要であると痛感しており、今
回の調査はその場になり得るものと考えた。今年度の調査は評価手法の開発が
目的であるが、大学評価情報の発信は、シンクタンクとしてのミッションとし
て取り組んでいきたい。また、将来的には国際比較も視野に入れている。

教育分野での実績を有する河合塾と、産業側のニーズに通じた三菱総合研究所
が共同で調査にあたれば、大学が提供するサービスを顧客側からみた評価する
手法を確立することができることから共同提案している。


提案内容

河合塾と三菱総合研究所の共同提案内容のポイントは以下の通りである。

効率性、生産性の視点を盛り込んだ評価 投入されたリソース(人、資金、物)
に対してどれだけの研究成果をあげたかという観点から評価する。

→ 規模の小さな大学でも不利になるということはない。

ユーザー評価 研究・教育を提供する「サービス機関」としての大学という観
点から、サービスのユーザー(受益者)である産業界及び学生(卒業生)から
の視点を重視して大学活動を評価する。

→ 研究成果がユーザーのニーズに合致しているかどうかが評価の一つのポイ
ントとなる。

専門分野ごとの差異が明確になる評価区分 大学や学部の単位、あるいはIT
やバイオといった大きな分野単位だと、詳細な単位を平均した評価しか出てこ
ない。理工系では、研究科や学科(場合によっては研究室)の単位、あるいは
ネットワークやゲノム創薬などの専門領域の単位における評価が重要と考え、
評価区分を定義していく。

→ 学部平均が低くても、ある専門分野で秀でた成果を挙げている学科は高く
評価される。一流とされる大学であってもすべての専門分野で高く評価される
とは限らない。
 
★ 本件に関するお問合せは下記までお願い致します。

学校法人 河合塾 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-25-2 
教育情報部 山本 賢一、山本 真司
TEL:03-3403-9063
Email:kyama@kawai-juku.ac.jp

株式会社 三菱総合研究所 100-8141 東京都千代田区大手町2-3-6
科学技術政策研究部 山本 誠司 
TEL:03-3277-0555
Email:yase@mri.co.jp