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『北日本新聞』2002年9月5日付
遠山文科相が富山大視察 再編統合に期待
遠山敦子文部科学相は4日、平成9、10年度入試で人文学部の合否判定ミス
があった富山大を視察し、滝沢弘学長から入試ミスの経緯やその後の対策につ
いて報告を受け、再発防止の徹底を求めた。県内3大学で進めている再編統合
の検討状況についても聞き「3大学が統合されれば、ユニークな大学が形成さ
れる」と期待した。
遠山文科相は滝沢学長ら大学関係者の出迎えを受け、学長室で約30分懇談し
た。滝沢学長は「受験生をはじめ、ご迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪。入試ミ
スについて元受験生への補償を含めすべての対応が終わったことや、入試業務
を改めたことなどを説明した。遠山文科相は「今後このようなことがないよう
体制を強化してほしい。大学として透明性を高めることが重要」と強調した。
富山医薬大、高岡短大と進めている再編統合の協議については「3大学が統
合されれば、ユニークな大学が形成されると大きく期待している。教職員の意
識を高めてほしい」とした。懇談後、学内を視察した。
同大の入試ミスでは、コンピューターのプログラム変更を怠り、本来は合格
していた16人を誤って不合格とした。11年3月にミスが発覚した後も事実が隠
ぺいされ、同大は隠ぺいを指示した元副学長を懲戒免職とするなど教職員計64
人を処分。国は元受験生に対し、慰謝料や他大学に支払った入学金など計
2,750万円を賠償した。
改組構想に理解 教育学部存廃で遠山文科相
少子化の影響で全国的に存廃が問題となっている教育学部について富山大は
4日、遠山文科相に、再編統合後の新大学では教員養成機能を残した一般学部
に改組する構想を説明。遠山文科相は「富山大が考えていることは正しい選択」
と述べ、同大の方針に一定の理解を示した。
教育学部については、文科省の懇談会が昨年11月、各県に少なくとも1つの
教員養成系学部を設置してきた原則を見直し、再編統合して現在の半数以下と
する提言をまとめた。他県では、大学が教育学部の廃止を決めたものの地元か
ら強い反発を招く事態も起きていることから、滝沢学長は「富山大が教育学部
を無くしたのに、他県では結局残ったということにならないか心配している」
と述べた。遠山文科相は「富山大が考えていることは正しい選択と考えている。
文部科学省としても一般学部への改組をバックアップしていく」と話し、隣接 する大学、学部の統合を進めていく考えを表した。 |