独行法反対首都圏ネットワーク |
<発信箱>経営者の資質 今松英悦
毎日新聞ニュース速報
日本道路公団などの道路関係4公団に続き、来年4月に公社化される郵政事業も民営
化の方向だ。このほかの特殊法人でも、独立行政法人のほか完全民営化されるところも
ある。
国鉄、電電公社、専売公社が民営化された80年代半ばを、第一次民営化時代とすれ
ば、いまは、第二次民営化時代だ。第一次では民営会社にすることで効率化を図るとい
う目的とともに、官公労労働運動の弱体化という狙いがあった。その目的は達成された
。連合がその象徴である。
今回の民営化は経済的側面が強い。官業や特殊法人を民間会社にし、民間人を経営ト
ップにすえる。それにより、コスト意識を高め、サービスの質も引き上げるという。一
面の真理はあるが、根底に民営化すれば、すべてうまくいくという予定調和論が見え隠
れする。
本当に民間企業や、その経営者は優れているのだろうか。
立派な会社や経営者がいることは認める。しかし、経営手腕の長けた経営者は多くな
い。銀行をみればわかる。それ以上に問題なのは、企業倫理の荒廃だ。
雪印、三菱自動車工業、日本ハム、そして、東京電力、三井物産と不祥事が続けば、
国民も民間経営者に疑いの目をむけざるを得ない。不正を働いたり、見逃したりする民
間経営者に公的サービスの一部を任せられるのかということだ。
いま、不採算で槍玉に上がっている東京湾横断道路の建設を熱望したのも、建設、鉄
鋼、セメントなどの業界だった。
民間企業や経営者が万能でないことは忘れてはならない。 (論説室)
[2002-09-04-23:56]
|