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独行法反対首都圏ネットワーク

県が山大教育学部の存続へ独自案
 . [he-forum 4371] 8月3日山形新聞ニュース1
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2002年8月3日 土曜日
県が山大教育学部の存続へ独自案

 南東北3大学間の再編協議で、存廃の岐路に立つ山形大教育学部の存続を目指し、県が
独自に検討していた新しい学部づくりの試案(骨子)が2日、明らかになった。あくまで
も南東北の「担当校」として、全国でも極めて珍しい6年間の一貫教育を実施、学校教育
現場の核となる優秀な教員養成を目指す内容。独立行政法人に移行することを踏まえ、財
団を設立して学部運営を支援する体制を目指す。

 試案作成を命じた高橋和雄知事は「単なる数合わせでは教員就職率が向上するとは思え
ない。教官と学生を手厚く支援し、将来の教育界を担う教員を育てるシステムに仕上げた
い」と強調。早ければ5日の定例記者会見で概要を説明する。

 試案の骨子は、「総合性」「地域性」「実践性」を重視し、新しい教育学部の学生が総
合的、専門的な知識を身につけられるよう意識した。4年まで学部に在籍した学生は、2年
課程の大学院研究科に進むことを基本とし、6年間の一貫したカリキュラムで幅広い教養
を修得する。

 修士課程修了者に与えられる専修免許のほか、児童生徒の問題行動に対処する臨床心理
士の資格を持ち、実践的な英語力があるような初等中等教育で中核的役割を果たす教員養
成に力を注ぐことを想定している。

 文部科学省のスケジュールに沿えば、国公立大は2004年4月に独立行政法人化される見
通しで、財政支援を惜しまない考え。自治体が中心となって基金を創設し、教官への研究
費助成や学生への奨学金貸与を行う。

 県の試案は、7月10日の「山形県の教員養成に関する懇談会」で、山形大の仙道富士郎
学長が高橋知事に持ち掛け、知事をトップに県総務部、文化環境部、教育庁が検討を続け
てきた。

 教育関係団体から学部存続を求める署名簿を受け取った仙道学長は2日、報道陣に対し
「現在、学内のワーキンググループで大学の将来像を精力的に討議している。試案が提示
されれば内容を検討し、(双方を)融合した形に持っていけばうまくいくのではないか」
と強調、県の試案を柔軟に受け入れる考えを示した。

15万人超す署名簿提出−県PTA連など
 山形大教育学部の存続を求め、署名活動を進めている県PTA連合会(板垣喜代志会長
)などは2日、仙道富士郎学長に15万人を超す署名簿を提出した。

 署名活動は継続中で、1日段階で中間集計した15万2572人分。仙道学長は「熱い思いを
重く受け止める。十分に考慮して県や山形市と議論していく」と述べた。板垣会長、山形
大教育学部同窓会の田中二男会長、県教育文化フォーラムの大谷駿雄会長らが山形大を訪
れ、仙道学長に手渡した。

 県教職員組合協議会(議長・菅井道也県教組委員長)は同日、これとは別に1万6745人
の署名簿を提出。同協議会組合員のほか、連合山形の組合員と街頭署名の分を含んでいる

(山形新聞ニュース8月3日)