☆山形大が「担当校」を再検討〜教育学部問題
. 2002年8月28日 水曜日 山形新聞
--------------------------------------------------------------
2002年8月28日 水曜日 山形新聞
山形大が「担当校」を再検討〜教育学部問題
南東北3大学の再編協議に伴い山形大、県、山形市の3者が新学部移行を決定
した同大教育学部の問題を話し合う「山形県の教員養成に関する懇談会」の第
3回会合が27日、山形市の山形グランドホテルで開かれ、県が学部存続に向け
た独自の試案を提示した。大学側は「教育学部を中心に全学的に対応する」
(仙道富士郎学長)「学内で必死に努力する」(沼沢誠副学長)として、再編
の受け皿となる担当校になることが可能かどうか再度検討する方針を示した。
高橋和雄知事が▽6年間の一貫教育による義務教育課程の優秀な教員育成▽
学部支援のための財団設立▽付属学校・園の存続―を柱とする試案を仙道学長
に提出。仙道学長は「大変なエネルギーに頭の下がる思い。教育学部の方針を
決定する上で、十分に参考にしたい」と述べ、最大限に尊重する考えを示した。
担当校になることを断念し、新学部移行を5月の教授会に提案した石島庸男
学部長は「教授会で(県の)提案内容について話し合ってみないと分からない」
として即答を避けたが「大学(の考え)と一致すれば、教授会決定を棚上げ、
凍結し、再検討する」と発言、受け入れる余地があることを明らかにした。
一方で「(学部と大学院研究科で6年間の一貫教育を行うとする)県の提案
は、現在の法制度に触れるところがある。(県と大学双方が)合意に達しない
場合は、少し(話し合いが)長引くのではないか」と述べ、慎重姿勢も印象付
けた。
これに対し、高橋知事は「130人以上が必要という教官の定員、学生の定員
などについて大学の考えを提示してもらいたい。教育学部の存続に焦点を合わ
せて議論してほしい」と強く要望。支援を惜しまない考えの県に対し、具体的
な方向性を示すよう求めた。
懇談会の終了後、仙道学長は報道陣に「知事が(自然科学系の増設を目指す
福島大と比べ)大学としての方針が見えないと言うのは、ある意味で理解でき
る。指摘をクリアしていくことが(試案に対する)回答だと思う」と述べ、懇
談会を継続し、誠実に対応する考えを重ねて表明した。