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自衛隊が大学で「講義」
 . 2002年8月8日(木)「しんぶん赤旗」 
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2002年8月8日(木)「しんぶん赤旗」

自衛隊が大学で「講義」

ゼミで軍用機搭乗

模擬戦争ゲームも


 自衛隊が昨年度からいくつかの大学に働きかけて、大学・大学院のゼミや講座で自衛隊幹部による安全保障の講義や自衛官との討論、基地や駐屯地での研修や体験搭乗、シミュレーションを使った「模擬戦争ゲーム」などを実施していることが明らかになりました。

 東京の慶応大学では六月十六日、総合政策学部の小島朋之教授(学部長)の研究会、同阿川尚之教授の研究会、同草野厚教授の研究会、経済学部の島田晴雄教授の研究会に属する学生五十六人が小島、阿川、島田の三教授と海上自衛隊・厚木基地で「大学生と自衛官の安全保障ゼミ」を開催。P3C哨戒機に体験搭乗し、安全保障に関する討論会を行いました。

 また、四月、五月、六月、七月には同大学の湘南藤沢キャンパスで、陸・海上幕僚監部防衛部に属する三人の一佐が「安全保障」について講演しました。私立大学で自衛官が講演したのは初めて。

 大阪大学大学院の国際公共政策研究科では、昨年十月から十二月にかけて陸上自衛隊中部方面総監部の幹部と四回にわたって「共同研究」を実施。最後の四回目は、伊丹駐屯地(兵庫県)で二泊三日間の合宿。湾岸戦争をきっかけに危機が日本の周辺事態に発展、さらに日本有事に波及するという想定でシミュレーションによる「模擬戦争ゲーム」を行いました。

 神戸大学大学院の法学部・法学研究科の吉川元・五百籏頭(いおきべ)眞ゼミ(簑原俊洋助教授代行)では、十月から十二月にかけて大阪大学大学院と同様の「共同研究」を四回行う予定です。


党兵庫県委が神戸大に申入れ

 自衛隊と神戸大学の一部ゼミが共同で「有事」研究をしている問題で、日本共産党兵庫県委員会は七日、同大学学長あてに、自衛隊の意図を警戒し大学の自治・学問の自由を守るよう申し入れました。

 申し入れ書は、「自衛隊の側が幹部自衛官の人材発掘、市民権の拡大など、大学を取りこむ意図で接近してきたことは明らか」と指摘。「憲法違反の存在であり、アメリカ一国覇権主義に従属する軍隊である自衛隊の『誘い』に乗らず、憲法の平和原則と、大学の自治・学問の自由を堅持して臨まれること」を要望しています。申し入れは副島圀義・党県副委員長と松本勝雄・党国会議員団兵庫県事務所長がおこないました。