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独行法反対首都圏ネットワーク

☆<大学評価>経産省、河合塾に委託し理工系を 産業貢献度など
 .  [he-forum 4349] 毎日新聞07/27
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『毎日新聞』2002年7月27日付

<大学評価>経産省、河合塾に委託し理工系を 産業貢献度など

 産業界の国際競争力を高める一環として、経済産業省は、大手予備校「河合
塾」に委託して、理工系大学の研究や教育を評価する方法を開発することを決
めた。河合塾は既に研究者による投票で大学の研究成果を評価しており、産業
への貢献度や人材育成について実績を測る「物差し」を年度内に作成し、これ
をもとに試験的な結果を出す。予備校独自の大学評価に国が「お墨付き」を与
えた形で、偏差値や知名度以外の新たな大学ランキングとなる可能性もある。

 この事業は、民間の第三者が大学を評価する方法を作り上げるため、経産省
の外郭団体「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が実施する。
河合塾は理科系の研究者による投票で、優れた研究成果を上げている大学のラ
ンキングを実施しており、そのノウハウを買われた。

 大手シンクタンクの三菱総合研究所と共同で、産業界に必要とされる学生の
質や研究内容などを研究し、優秀な人材を輩出している大学や、企業に役立つ
研究を行っている大学を評価する方法を検討する。今年度はバイオテクノロジー
とIT(情報技術)分野に限定して試験的な評価も行う予定。来年度以降、対
象をほかの分野にも拡大させ、5年間で「役立つ大学」の評価法を確立する。

 日本の大学評価は、現在、文部科学省の外郭機関「大学評価・学位授与機構」
が、国立大の評価を始めたところだ。大学の自己評価の達成度を評価するもの
で、教育・研究の改善が目的。経産省による第三者評価は、産業界の競争力を
高めるのが狙い。産業に役に立つ「人材育成」や「研究」を大学側に求め、そ
の能力を評価して競わせたい意向だ。 【澤圭一郎】

                   ◇

 国際社会学者の中嶋嶺雄・アジア太平洋大学交流機構国際事務総長の話 様々
な物差しで、大学を評価するのはいいことだ。米国では、膨大なデータに基づ
く信頼のおける評価リポートがあり、その評価が大学を元気付けている。大学
の良い点を伸ばす評価が大事だと思う。産学連携の視点だと、理科系の大学の
評価に偏りがちになるが、社会に役立つ文系の大学評価もバランスよく実施し
てほしいと思う。