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☆拠点大学へ県内3大学が名乗り 文部省の補助金重要配分
 . [he-forum 4337] 徳島新聞07/23 
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『徳島新聞』2002年7月23日付

拠点大学へ県内3大学が名乗り 文部省の補助金重要配分


 世界最高水準の教育研究の拠点大学づくりを目指し、文部科学省が本年度か
ら補助金を重点配分する「21世紀COEプログラム(旧称・トップ30大学
構想)」。徳島県内の三大学も、二十四日に始まる補助金申請受け付けに名乗
りを上げる。残る一大学も来年度に申請する計画だ。十八歳人口の減少など大
学経営が厳しくなる中、大学の独自色を出して存在感を示すのが目的。生き残
りもかける。

 同プログラムは、世界的な研究教育拠点を形成するための事業計画が対象で、
本年度は生命科学、情報・電気・電子、人文科学など五分野が対象。各分野で
十−三十件が選定される。六月中旬に公募要領が決まった。

 これを受け、徳島大学は斎藤史郎学長を中心に申請準備を本格化。学内には
当初、大学の序列化を懸念する声もあったが「徳大の教育研究拠点づくりの一
つの契機にしよう」と申請を決めた。

 学外から評価の高い分子酵素学研究センターやゲノム機能研究センターなど
の組み合わせ、大学院工学研究科の各専攻を連携させるなどし、生命科学や情
報など四分野に申請する。

 再編統合問題に揺れる鳴門教育大も手を挙げる。同大は単独の博士課程がな
いため、兵庫、上越両教育大と岡山大で構成する兵庫教育大大学院連合学校教
育学研究科として、人文科学分野に申請する。兵庫教育大が「教育系単科大の
統合もささやかれる中、存在意義を示す意味でもプログラム入りする勢いが必
要」と話すなど、生き残りへの期待を込める。

 徳島文理大は生命科学分野への申請を準備。同大健康科学研究所は、文科省
が私立大の先端的な学術研究基盤を強化する「ハイテク・リサーチ・センター
整備事業」や、バイオ分野の研究成果の産学共同プロジェクトを支援する「バ
イオ・ベンチャー研究開発拠点整備事業」の対象に選ばれている。勝沼信彦学
長は「これまでの実績を土台に特色ある大学づくりの一環として参画したい」。

 四国大は、大学院経営情報学研究科が申請を検討中。本年度の対象分野には
該当する分野がないため、来年度の申請を考えているという。

 同プログラムには東京大や京都大など、これまで研究予算が厚遇されてきた
大学が有利で地方大学が不利との見方もあるが、全国の国公立、私立大学が申
請する予定だ。関係者の間では「四国でプログラム入りできる専攻や部門は一
つか二つ」との声もある。選定結果は十月に出る。

 《21世紀COEプログラム》 日本の大学に国際的な研究者が集まらず、
逆に優秀な人材が海外へ流出する現状を改善するため、遠山敦子文科相が昨年
6月「トップ30大学構想」として打ち出した。「大学をランク付けする印象
が強い」との批判から名称を変更。大学院博士課程の「専攻」や研究所の「部
門」の組み合わせなどで、世界に通用する研究拠点を目指し、世界トップレベ
ルの研究者を招いたり、優秀な若手研究者を支援したりする経費を補助する。
本年度は5分野で選定し、一件当たり年間1−5億円を5年間交付する。予算
総額は約180億円。来年度も別の5分野で選定し、同様の補助金を交付する。