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☆文科省のトップ30構想 京都の各大学 さまざま
 . [he-forum 4326] 京都新聞07/21 
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『京都新聞』2002年7月21日付

文科省のトップ30構想 京都の各大学 さまざま
 

 世界最高水準の研究教育拠点に選ばれるのは、どの大学か−。文部科学省が
昨年打ち出したトップ30大学構想は、「二十一世紀COE(センター・オブ・
エクセレンス)プログラム」と名前を変え、各大学の受け付けが二十四日から
始まる。京都府内の主要大学も応募の最終作業に入っており、「われこそは」
と意気込む声がある一方、制度そのものを疑問視する声も。思惑はさまざまだ。

 「もちろん、公募対象の五分野すべてに応募する。選ばれるかどうかより、
選ばれすぎて困るようなことにならないかと心配している」

 京都大の金田章裕副学長は自信を見せる。「一分野あたり三件、計十五件ほ
どは出したい。東大はもっと多いだろうが」

 大学関係者の間では「旧帝大のための制度」ともささやかれ、それ以外の大
学の枠は狭いとの見方が強い。評価の基準はまだ不明確だが、過去の研究実績
では旧帝大など一部の国立大が突出している。以前から多額の科学研究費を受
けているこれらの大学に比し、博士課程の規模や教員数の充実度などで劣る他
大学は「スタート地点から不利」(ある私大幹部)と言う。

 選ばれるのは一分野あたり平均二十件。計百件の枠をめぐって水面下の激し
い駆け引きがあり、どの大学も具体的な応募プランは公表していない。

 京大と同じく「全分野に応募する」という立命館大も、不安は隠せない。全
国の私大で唯一、超微細な金属加工や構造解析ができる放射光装置を持つなど
特色ある研究は多いが、「たとえCOE入りしなくても、今回積み上げた議論
が本学の将来に生かせればいい」(佐上善和研究部長)と控えめだ。

 人文学系と工学系で二、三件の応募を予定している同志社大は「研究資金と
しての魅力は薄い」と話す。当初構想で四百二十二億円だったCOE予算は、
結局、百八十二億円にまで削られた。「選ばれたことが一時のPRにはなって
も、理系の最先端研究には少なすぎる」というわけだ。

 一方、活路を見いだそうとする大学もある。京都工芸繊維大は「旧帝大以外
でも、研究レベルの高い大学があることを広く知ってもらえるチャンス」とみ
る。高分子分野などに特色があり、二、三件の応募を予定する。「今まで隠れ
た部分に光が当たってこそ、国の活力になる」(平山鋭副学長)

 仏教学など三件を出す龍谷大も、既成のランキングが崩れることを期待する。
文科省側は「過去の実績だけでなく、若手研究者の育成状況なども重視する」
としており、河村能夫副学長は「具体的に何をどれだけ評価するのか、むしろ
選ぶ側のお手並みを拝見したい」と話す。

 応募期間は二十六日までで、選考結果は十月に発表される予定。評価が適正
に行われ、真にトップレベルの研究育成につながるかが焦点だ。