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国会議員から山大教育学部存続の声が続出
 .[he-forum 4313] 山形新聞07/18

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『山形新聞』2002年7月18日付

国会議員から山大教育学部存続の声が続出


 山形大学教育学部の再編問題について、東京・マツヤサロンで17日に開かれ
た県開発推進懇談会で集中的に協議が行われ、県関係国会議員から学部存続を
求める意見が相次いだ。「30人学級」を実現するためにも地元の教員養成機能
は欠かせず、山形大がその責務を担っているとの認識で一致。県挙げて大学側
に再考を促し、文部科学省に存続を要請していくことにした。これに対し、仙
道富士郎学長は「広く地域の意見を聞いて慎重に判断したい」と述べた。

 懇談では、山形大教育学部問題について高橋和雄知事、山科朝雄県議会議長、
各国会議員がそれぞれ意見を出し合った。仙道学長は教育学部が南東北3県の
「担当校」を断念するまでの経過を説明。国会議員から「(新学部移行の決定
が)突然に出てきたという感じがする」などとして、地域の声を聞くことなく、
学部だけで結論を急いだのではないかと不満の声が出された。

 さらに、全国に先駆けた少人数学級編成事業を成功させるためにも、山形大
の教員養成機能が欠かせないとの意見が続出。教育県山形を創出してきた実績
を強調しながら、教員の計画養成機能を断念した際の影響は計り知れないもの
がある、と懸念する声が相次いだ。山形大に対しては、地域との話し合いを十
分に行い、県民が納得のいくような形で結論が導き出されるよう要請した。

 こうした意見を受け、仙道学長は「大学が地域と深くかかわっていることに
配慮する必要があり、山形県の少人数学級の実施など先進的な取り組みを阻害
することのないよう幅広く意見を聞きながら慎重に事を進めたい」と述べた。

文科相に存続要望書手渡し−自民党県連

 自民党県連(会長・岸宏一参院議員)は17日、文部科学省を訪れ、遠山敦子
大臣に山形大教育学部の存続を求める要望書を直接手渡し、必要性を訴えた。
遠山大臣は「地元の意見を取り入れて結論を出すことが重要」と述べ、県民と
の対話を重視する意向を示した。

 遠山大臣は地元との連携が大切になることを強調。さらに「再編・統合は国
内の大学の競争力向上とパワーアップのために行う。地域に貢献することを目
標に、大学側が今後のプランを考えてほしい」と述べた。

 文科省を訪問したのは岸会長と松浦安雄副会長、新目視悦幹事長、阿部賢一
政調会長、土屋健吾総務会長の5人。要望書では、山形大に対する県民の信頼
と期待の大きさをアピール、「優れた教員を県内で養成することは、教育県山
形の根幹をなす」としている。

 会談終了後、同省の本間実・高等教育局専門教育課教育大学室長は山形新聞
の取材に対し「よりよい教員をいかに養成するかが文科省としての狙いで、再
編統合が重要なのではない。そのために、今のままで大学のパワーアップが図
れるのならば、意見を聞いていきたい」と語った。