☆県が独自の試案提示へ−山形大教育学部問題
. [he-forum 4275] 山形新聞07/11
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『山形新聞』2002年7月11日付
県が独自の試案提示へ−山形大教育学部問題
文部科学省の意向を受けた南東北3大学の再編協議に伴い、山形大教育学部
が教員の計画養成機能を断念、県内に波紋が広がっている問題で、山形大、県、
山形市のトップが直接話し合う「山形県の教員養成に関する懇談会」の第2回
会合が10日、山形市の山形グランドホテルで開かれた。学部存続を強く求める
高橋和雄知事は、仙道富士郎学長の求めに応じ、入学定員を縮小するなどして
維持していく独自の試案を提示する考えを示した。小学校教諭の養成課程を中
心に、地域と連携した新学部の姿を意識している。
教育学部が5月の教授会で新学部移行を決定するまでの経過について、仙道
学長が報告。▽教員就職率の低迷▽教員養成課程の縮小▽少ない教官数―を理
由に、南東北全体の活性化を図る枠組みの中で、山形大が「担当校」の役割を
担うのは適切ではないと強調した。
説明を受けた高橋知事は、教育学部の決定を白紙に戻し、学部と学内で再考
するよう繰り返し要請。仙道学長が「山形大が3県の中心になってやっていく
には、かなりの困難が伴う。具体的な方策があれば提示してほしい」と求め、
知事が応諾した。
高橋知事は「現段階の私案」として、教員養成課程の入学定員を現行の120
人から60人程度に削減するなどの手法で、教育学部の存続を模索する考えを示
した。席上では言及しなかったが、財政支援も視野に入れており、独立行政法
人になった後の山形大との密接な連携を目指すとみられる。
教授会に教員の計画要請断念を提案した石島庸男学部長は「われわれは教育、
研究という論理で、政治や行政の論理はまた違う。面白い案があればありがた
い」と述べ、知事の案を受け入れる余地があることを示唆した。
一方、知事が要請した白紙撤回について、仙道学長は態度を保留。「物事は
評議会で決定することになっている。教授会の決定を重く受け止めつつ、教育
学部に対する県民の熱い思いを踏まえて、十分に時間をかけて検討する」と述
べ、学内の最高意思決定機関である評議会で協議した後、回答する考えを示し
た。