☆山大教育学部問題、知事が再考要請へ
. [he-forum 4267] 山形新聞07/10
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『山形新聞』2002年7月10日付
山大教育学部問題、知事が再考要請へ
山形大教育学部の存続問題について、仙道富士郎学長と県、山形市のトップ
らが直接話し合う10日の「山形県の教員養成に関する懇談会」に出席する高橋
和雄知事は9日、教員計画養成機能を断念し、新学部移行を教授会で決定した
教育学部に対し、再考を求める方針を固めた。大学と県の協議は平行線をたどっ
ており、仙道学長ら大学側の対応が焦点になる。
高橋知事は懇談会の席上、教育学部が5月21日の教授会で新学部移行を決定
した理由について、あらためて説明を求める考え。県として納得できる回答が
得られなければ、高橋知事は仙道学長と石島庸男学部長に対し、教育学部の在
り方を再び学部内で検討するよう要請するとみられる。
高橋知事はさらに、教育学部の存在意義と必要性を強調。全国的な注目を浴
びる県独自の少人数学級編成事業「さんさんプラン」に言及するなどし、教育
学部の存続を強く求めるとの見方が一般的だ。
山形大は「教育学部の決定を重く受け止め」(仙道学長)、全学的な検討を
重ねているが、学部の主体性を尊重する立場から、仙道学長らが知事提案を受
け入れるかどうかは微妙な情勢で、高度な判断が求められることになる。
教育学部の決定は、学部長提案を教授会が承認した形でなされており、仮に
白紙撤回という異例の事態になれば、石島学部長は学部内で厳しい立場に追い
込まれることも考えられる。
高橋知事は▽南東北3県の初等・中等教育を阻害しない枠組み▽山形大の将
来像▽南東北の中心が宮城教育大という主張の根拠―など7点について大学側
の正式な回答を要求しており、仙道学長が10日の懇談会で提示する内容が注目
される。
山教協は署名活動を展開へ
山形大教育学部が教員の計画養成機能を維持することを断念し、県内に波紋
が広がっている問題で、県教職員組合協議会(山教協、議長・菅井道也県教職
員組合委員長)は9日、代表者会議を開き、教育学部の存続を求め署名活動を
展開することを決めた。
山教協を構成する県教組、県高教組、県障教組を通し、県内各校の管理職を
含む教職員に呼び掛ける。街頭署名運動も検討している。今週末にも行動を開
始し、早ければ今月下旬に遠山敦子文部科学相と仙道富士郎学長に書名簿を提
出する。
菅井議長は「学期末で多忙な時期だが、緊急問題であり、早急に取り組みた
い」と話している。山教協の組合員は約5200人。