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☆● 大学を核とする「知の集積国家」を目指して(文部科学大臣 遠山敦子)
 . [he-forum 4254] 小泉内閣メルマガ07/04
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Subject: [he-forum 4254] 小泉内閣メルマガ07/04

小泉内閣メルマガ53号(2002年7月4日)

大臣のほんねと−く

● 大学を核とする「知の集積国家」を目指して(文部科学大臣 遠山敦子)


 皆さんは米国シリコンバレーのことはよくご存じだと思います。スタンフォー
ド大学を中核として、約5000余りのハイテク企業が集積する「知の集積拠
点」であり、米国経済の牽引役の一端を担ってきた地域です。

 日本国内にも、ハイテクのみならず先端科学技術分野において、シリコンバ
レーのような知の集積地域を各地に生み出そうという試みが、現在文部科学省
で進めている「知的クラスター創成事業」です。これは大学という「知」の拠
点を核として、「人」に着目し、関係研究機関やベンチャー企業等の集積を図
ることにより、次々と技術革新を起こそうとする新たなシステムです。

 すでに、本年4月に、バイオ、再生医療等に取り組む関西広域クラスター
(大阪彩都及び神戸地区)をはじめ全国に10クラスター(12地域)を選定
しました。7月初旬には、これに準ずる都市エリア産学官連携促進事業を20
箇所程度選定することとしています。これを契機に国際的にも競争力のある地
域経済の再生が図られ、ひいては我が国経済の活性化につながっていくと期待
しています。

 文部科学省では、このほか、近年、技術移転機関(TLO)の充実、産学官
共同研究の促進や大学発ベンチャーの創出等、「知の創造と活用」をキーワー
ドとした産学官連携を推進するための取組を力強く進めております。最近でも、
産学官連携により、東北大学で開発された高品質な画像を再現できるプロジェ
クターが製品化されるなど「大学発」と呼べる成果が続々と生み出されて来て
います。

 この勢いを更に加速するものとして期待されているのが、現在進められてい
る「大学改革」、特に国立大学の法人化です。

 今、行おうとしている国立大学の改革は、これまで国の行政組織の一部であっ
た国立大学を、独立性を持つ新たな組織に生まれ変わらせるという、国立大学
にとって初の大改革です。本年3月、新しい「国立大学法人」像を示した報告
が有識者による調査検討会議でまとめられました。この報告では、教職員の身
分や予算についてより自由度と独立性を高め、大学の教育研究機能を一層活性
化し、高度化するための方策が提言されています。今後立法措置をはじめ諸準
備を整え、平成16年度から実施される予定です。

 この改革により、例えば、大学教授らが企業と連携しやすくなり、大学で生
まれた特許の商品化が容易になるなど、様々な活動が可能となります。もとよ
り、国立大学の法人化は、大学の本来の機能である優れた教育や独創性のある
知の創出をより活性化するためのものであります。同時に大学は、専門分野に
より、その画期的な研究成果を産業界等を通じて広く国民生活に役立てること
が期待されています。新しい時代の産学官連携には、大学と産業界が互いの役
割を尊重した上で相互に協力し、より良いものを築いていく、真のパートナー
シップを創っていくことが求められております。

 文部科学省としては、今後とも、大学における知的財産本部の新たな整備な
ど有効な方策を講じ、各大学が自らの研究成果を戦略的に確保し、活用してい
く体制の整備を後押ししていきたいと思います。これにより「大学」が、日本
の「知」の拠点としてその存在感を増し、新しい時代を切り開いていく原動力
となる−そんな大学を核とする「知の集積国家」の実現を目指したいと考えま
す。

※ 文部科学省ホームページ(新しい国立大学法人像について)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/14/03/020327.htm