☆長崎大に東電の寄付講座 被爆者らが反発
. [he-forum 4217] (共同通信07/02)
-------------------------------------------------------------
長崎大に東電の寄付講座 被爆者らが反発
共同通信ニュース速報
長崎大(長崎市)が大学院医歯薬学総合研究科に、東京電力の寄
付金で低線量放射線の生物影響などを研究する講座の設置を進めて
いる。原発やプルサーマル計画を推進する電力会社がスポンサーと
なるため、地元の被爆者らが反発。「設置は決定済み」とする大学
側との溝が広がっている。
長崎大は今年一月、池田高良学長名で東京電力に寄付講座の設置
を依頼。依頼書は「原子力利用の必要性とともに、放射線利用の安
全性が国民に正確に理解されることが必要」と指摘した上で、同社
から計九千万円の寄付を受け、三年間講座を開設したいと要望して
いる。
学内の一部教官や教職員組合が反発し「原発推進派の絶好の宣伝
になり、見識を問われる」などとする申し入れをした。平和団体や
被爆者の有志らも、抗議文を提出。
反対の動きを受け、大学側は、当初の目的にあった「放射線利用
の安全性」などの文言を削除、「低線量放射線の影響を遺伝子レベ
ルで研究する」と強調した内容に変更した。三日の医歯薬学総合研
究科の教授会に提出する方針だ。
被爆者らの間には東京電力の寄付を受けること自体への拒否反応
が根強い。被爆者の山川剛さん(65)は「研究は必要だが、被爆
治療の傍らで原発を推進する会社のバックアップを受けるのは許せ
ない。被爆者とともに歩み、世界的な功績を挙げてきた大学にそぐ
わない」と憤る。
谷山紘太郎・医歯薬学総合研究科長は「研究を純粋に進めること
が本来の講座の趣旨。設置は既に決まっており、被爆者や市民の理
解が得られるような形で、早急に開設したい」としている。
(了)
[2002-07-02-16:18]