☆夢持てる大学改革を 産学官連携推進会議閉幕
.[he-forum 4113] 京都新聞06/17
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『京都新聞』2002年6月17日付
夢持てる大学改革を 産学官連携推進会議閉幕
第一回産学官連携推進会議は十六日、京都市左京区の国立京都国際会館で分
科会などを再開、尾身幸次科学技術政策担当相が「産学官連携で日本経済の構
造改革を進める時が来た」と意見集約して閉幕した。青色発光ダイオードの開
発者として知られる中村修二カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が特別講
演で「学生が夢を持てる大学改革を」と訴え、二日間の議論を締めくくった。
分科会は「IT」や「ライフサイエンス」など五分野で、出席者からは大学
の役割への期待の声が目立った。京都大などと連携するロームの高須秀視取締
役は「バイオとエレクトロニクスなど異業種融合が新たな付加価値を生む」と
産学連携の行方を展望。遺伝子解析などを手がけるタカラバイオ(大津市)の
加藤郁之進社長は「日本の学生が最新の教育を受けていないのは切実な問題」
と述べ、二〇〇三年度に長浜市で開学する長浜バイオ大(長浜市)への出資な
ど同社の取り組み事例を紹介した。
中村教授は「ブレークスルーを生む研究」と題して講演した。徳島大大学院
を卒業後、徳島県の中小企業で研究開発を進めた経験を踏まえ「大企業の常識
的な研究では新技術は生まれない」と指摘。さらに「日本人は個性を育てない
から大学に入ることだけが目標になり、遊んでいても卒業できる。日本の大学
は学生に機会を与えていない」と批判し、大学改革の必要性を強調した。