☆教員養成課程の存続断念、評議会決定を先送り−−山形大
. [he-forum 4107] 毎日新聞山形版06/14
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『毎日新聞』山形版 2002年6月14日付
教員養成課程の存続断念、評議会決定を先送り−−山形大
山形大教育学部の再編・統合問題をめぐり、同大は19日に開く評議会で、
教員養成課程の存続を断念する意思決定を見送る方針を固めた。同大関係者は
「県教委や教育関係団体から存続の要望があり、19日までに学内の意見を取
りまとめるのは難しい」と語った。
同大教育学部は先月開いた教授会で、教員養成課程の存続断念を表明。これ
を受け仙道富士郎学長は「19日の大学評議会で大学の意思決定をしたい」と、
教授会の決定を容認する姿勢を示した。
一方、危機感を覚えた小中高校の校長会など教育関係団体は、教員養成課程
の存続を求める要望書を11日に山形大、12日に高橋和雄知事に提出した。
こうした動きに、同大の沼沢誠副学長は「教員養成課程の維持、教員の再教
育、付属学校を教育の実践の場とすることの3点セットの見通しが立たない限
り、大学として意思決定はできない」と表明した。学内には教員養成課程の存
続断念に対する反対も根強く、大学の意思決定は7月10日に予定される評議
会にずれ込むことになりそうだ。
同大の鈴木成巳総務課長は「大学としての対応を早急に決めなければならな
いが、県の要望や学内の雰囲気を見ると19日に結論を出すのは早急すぎる」
と話している。【永井大介】
◇キャンパス存続に危機感、県議会も影響懸念の声
「小白川キャンパス自体の存続問題に発展しかねず、県を挙げて取り組まな
ければならない課題だ」――。13日の県議会運営委員会でも、山形大の教員
養成課程の存続断念による影響を危ぐする発言が県議から相次いだ。
11日に大学へ存続を要望した県だが、この日は「少子化で大学の再編統合
は避けて通れない。文部科学省は統合しても各県に力量ある教員を養成できる
仕組みを目指している」(笠原征男・文化環境部長)と、一転して国の方針を
“代弁”。存続を求める県民の気運との間で、板挟み状態になっている。
県議からは「県としてどんな大学を望むのかスタンスを示せていない」「対
応が後手後手。教授会決定の前になぜ要望書を出せなかったのか」などの声が
飛んだ。太田充・総務部長は「意見を十分踏まえて早急に対処したい」と述べ
た。