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独行法反対首都圏ネットワーク

☆群馬大・埼玉大の統合問題 協議会発足延期
 . [he-forum 4087] 朝日新聞群馬版06/07
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『朝日新聞』群馬版  2002年6月7日付

群馬大・埼玉大の統合問題 協議会発足延期

 
 全国で初めて県境を越えた国立大の統合を埼玉大と目指している群馬大は6
日、統合協議会の設置を承認する臨時評議会を予定していたが、開催を見送っ
た。

 関係者によると、両大に重なる教育学部の再編をめぐり、考え方の隔たりが
埋まっていないためで、今月内をめどにしていた同協議会の発足は延期された
という。

 群馬、埼玉両大の関係者によると、6日にそれぞれの大学で評議会を開き、
統合協議会の設置を承認し、月末には、各学部の関係者も加わった話し合いを
始める予定だった。

 しかし、両学長の懇談会や水面下の学部長レベルの会議では、教育学部の再
編問題を中心に、一般教養課程をどちらに置くか、群大の社会情報学部を含む
人文社会系の学部の在り方−−などについて、意見がまとまらなかったという。

 教育学部の再編をめぐっては、群馬大は荒牧キャンパス(前橋市)、埼玉大
は大久保キャンパス(さいたま市)とそれぞれ現在地への移転・統合を主張し
てきた。

 特に1学年あたりの教員養成課程の定員(群馬大220人、埼玉大410人)
が多い埼玉大では、「移転のメリットはない」と絶対反対を訴える意見が強い
という。

 当面、両キャンパスでの併存という案も出ているが、効率化などの面から、
国が認める可能性は薄いという。

 群馬大の関係者は「どちらもただ移転させるだけでは納得しない。特に群馬
大の場合、『荒牧』は社会情報学部だけになり、空洞化が進む。教育関係者の
不安も大きく、新学部をつくるなどの代案がないと地元は納得しない」と話す。

 同大事務局は「統合自体が行き詰まったわけではない。(国が統合のめどと
している)時期を考えると、遅くとも来月の夏休み前には協議会を設置したい」
と話す。

             ◇   ◆   ◇


「群大が支店になるのでは…」/市長会・国会議員朝食会で尾身・科技相が危ぐ

 群馬大と埼玉大の統合構想が、6日に東京都内で開かれた県市長会と県選出
国会議員の朝食会で話題になった。尾身幸次・科学技術担当相は「群馬大が
(埼玉大の)支店になってしまうのではないか。私は疑問だと思っている」と
述べた。

 尾身氏は、地元の国立大学を地域の発展のために活用することが大切だとの
認識を示し、「本当に統合していいのか、県民全体で考えていただきたい」と
語った。

 群馬大キャンパスがある前橋市の萩原弥惣治市長も、大学周辺にある学生向
けアパートの所有者から、統合構想について市に説明を求める声があることを
紹介。「市にとっては経済を左右する問題として危ぐされている」と述べた。

 一方、元文相の中曽根弘文・参院議員は「大いに結構だと思っている。(大
学が)真剣に両方のことを考えれば、地域のためにもなる」と統合構想に理解
を示した。

 朝食会には富岡市を除く県内10市長と、福田康夫官房長官ら国会議員9人
が参加した。県市長会が、地方分権の推進などを盛り込んだ要望書を出した。