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教育大函館校存続問題で新学部の設置を要望
 . [he-forum 4072] 函館電子新聞06/04 
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『函館電子新聞』2002年6月4日付

道教育大函館校存続問題では、新課程設置の場合、教員養成機能を併せ持ち、
芸術・スポーツ分野も含めた新学部の設置を要望


〜南北海道高等教育機関整備促進期成会・本年度総会で決定〜

6月27、28日に北大、道教育大両本部、道、文部科学省に要望活動
6〜7月に渡島・桧山の全高校対象に進路希望調査

 国立大学の統合・再編、独立法人化などの構造改革に伴い、函館地区では北
大水産学部と道教育大函館校の行方が大問題となり、先般に至っては道教育大
で学長最終案として、教員養成課程は札幌、旭川両校に集約する形とし、函館
校に関しては教員養成課程がなくなる一方で芸術・スポーツ課程を除く新課程
を置くという方向が示されるなど新たな局面に入る中、南北海道高等教育機関
整備促進期成会(会長・井上博司函館市長)の本年度総会が4日、ホテル函館
ロイヤルで開かれた。

 総会では、道教育大函館校問題にあっては新課程設置となった場合でも、こ
の中に小・中・高校等の教員養成機能を併せ持ったものとし、芸術・スポーツ
分野も含めた新たな学部の設置を要請すること、北大水産学部問題では従来通
り水産学部の函館存続を強く要望する一方、今月下旬にも設立方針の水産学部
を中心とする学術・研究機関や地元経済界による「函館海洋科学創成研究会」
に参画し、将来的に函館市が国際水産・海洋拠点都市に発展する可能性を探る
「国際水産・海洋都市構想」策定に向けた取り組みを支援して行くことを決定、
今月27、28日に北大と道教育大両本部、道、そして文部科学省に対して要望活
動を展開、また、渡島・桧山支庁管内の全高校3年生を対象に進路希望調査を
6〜7月に実施することになった。

 この日の総会では、昨年度の事業報告、決算報告が行われた後、平成14年度
の事業計画、収支予算両案を承認、加えて今後の要望活動が示され、協議した。

 この中で、「道教育大から出てきたものは予想通りというか、札幌・道央中
心の効率性を重視した学長案となった。基本的理念に疑問を感じざるを得ない
が、函館校の新課程とか一体どのようなイメージか、考え方、理念が何ら示さ
れていないように思う。大学側の基本的考え方を把握しなければ、今後の要望
活動をどうするか定まらないのでないか」(岩谷正信理事・函館市議会議長)
との意見が出され、これに対して、事務局から、「道教育大の函館校として目
下、ワーキンググループなどで話し合われている最中と聞いており、まだはっ
きりしていないようだ」などの回答があった。

 この点、井上会長が言及し、「函館校にはこれまでの総合科学課程といった
ものを集約し、その代わり教員養成課程はなくなる、また芸術・文化課程もな
くなるというのが本部学長案でないか。このため、単にこれまで通りに存続を
要望して行くということではなくして、出てきた学長案を勘案し、次の段階に
入るということで今総会で示した要望案を持っての存続運動が必要ということ
になる」と説明した。

 また、井上会長が函館校の同窓会「夕陽会(せきようかい)」会長である安
島進委員に同校内の現況など含め意見を求めたのに対し、安島委員からは、
「教員養成課程については、従来の(函館校の)実績を踏まえて基本的に残し
てもらいたい夕陽会としても考えている。集約・再編成する形で教員養成や生
涯学習課程を分校(函館校)からなくすという案だが、分校内では新課程につ
いてもっと明確にしてほしいということであり、また分校自体の教員養成をな
くすという納得はついていなく、腹固めには至っていない」との見解が示され
た。

 このほか、委員の中からは、「北海道全体の高等教育のあり方をどう考えて
いるのか。道として将来どうあるべきか具体的に表していない」との意見もあっ
た。