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独行法反対首都圏ネットワーク

☆鹿児島大学理学部の見解
 . [he-forum 4048] 鹿児島大学理学部の見解 
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http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/jhsrc/opinion.html


         『新しい「国立大学法人」像について』に関する見解 

                                                鹿児島大学理学部教授会
                                                             2002.5.15 


 「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」は、さる 3月26日、
『新しい「国立大学法人」像について』(以下、「最終報告」)を公表しまし
た。 4月19日の国立大学協会の臨時総会は、この「最終報告」に基づいて「法
人化の準備に入る」とする会長談話を賛成多数で採択しています。

 私達は、この「最終報告」は、(1) 大学の管理・運営方式、(2) 研究計画の
立案、(3) 教職員の身分等に関して、重大な問題を孕んでいると考えます。私
達は、今後、国会等において、国立大学の「法人化」や国立大学の教職員を
「非公務員型」にすることの是非を含めて十分な論議が尽くされること、「法
人化」を進める場合には、以下の事を関係諸機関に要望します。

1.大学の目的は何か、原点に戻って考察すること。そして、これに基づいて、
  教育と研究の論理により、大学の「法人化」を検討すること。

2.「学問の自由」、および、それが機関という形態をとったものとしての「大
  学の自治」の原則を確認し、このことに関連する憲法・教育基本法の各条項
  を堅持すること。

3.国の高等教育への財政責任を法律で明記すること。

4.国立大学の教職員は公務員とすることを基本とし、「非公務員型」とする場
  合は、教育職員の身分に関することは、その職務の特殊性に基づき、「教育
  公務員特例法」に代わる法律によって規定すること。

5.大学の意思決定機関や審議機関に学外者を参加させる場合、その人選は、大
  学が自主的・自律的に行うことができる制度にすること。

6.学長を含む役員会(仮称)のメンバー、および監事の選考と罷免の方法につ
  いては、「大学の自治」の原則に基づき、それぞれの大学が独自に定めるこ
  とができる制度にすること。

7.学長、部局長、および評議会(仮称)、運営協議会(仮称)のメンバーの選
  出は、民主的手続きに基づいて行うものとすること。

8.学長、役員会(仮称)、および運営協議会(仮称)は、評議会(仮称)の審
  議を最大限尊重して、大学運営にあたるものとすること。

9.「中期目標」、「中期計画」を最終的に文部科学大臣が認可する制度は、息
  の長い研究の推進が可能な環境のもとで、自由で多様な、独創性ある発想に
  より、自律的に追求されることによってこそ大きな成果が期待できる基礎科
  学研究には、そもそも馴染まないので、再考すること。

10.適正な評価システムを確立すること。例えば、すぐに目に見える成果に結
   びつかないような基礎科学研究が適正に評価されるよう、特別な配慮が必
   要であると考えます。そのために、評価基準、評価結果を公表するととも
   に、評価結果に対する異議申し立ての権利を保障することを法律に明記す
   ること。