☆取り組みに温度差−−国立6単科大統合基本方針/北海道
. [he-forum 4044] 毎日新聞北海道版05/31
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『毎日新聞』北海道版 2002年5月31日付
取り組みに温度差−−国立6単科大統合基本方針/北海道
道内の国立6単科大は30日、再編・統合の基本方針を示したが、各大学に
はそれぞれのお家事情があり、実際の取り組みの温度差は大きく、構想実現の
行方はなお不透明なままだ。
統合に前向きなのは、旭川医大、北見工大、室蘭工大の3大学。昨年秋、再
編・統合の話し合いを始めることで合意し、他大学と統合することは学内合意
も得ている。特に旭川医大は医学部と工学部を併せた「医療工学部」など、独
自に統合後の学際的な学部構想を打ち出し、また、北見工大も「医と工」の連
携を打ち出し、統合効果に期待する。
一方、道教大は札幌、旭川、釧路、函館、岩見沢の5分校の再編議論がまと
まらず、他大学との統合は先送りされているのが実情で、学内には「単なる数
あわせではまずい」と消極的な意見も多い。また、帯広畜産大も学内から「統
合によりわが大学の特色が埋没しかねない」との懸念の声が上がり、単独での
生き残りも模索中だ。小樽商大は、6大学統合か単科大学かの選択を避け、態
度を留保している。
6単科大統合は国立大学が独立法人に移行する予定の04年度を目標にして
いるが、大学間の温度差から「移行と同時の統合はかなり困難」(北見工大関
係者)と悲観的な見方も出ている。独立法人化と少子化時代をにらみ、道内唯
一の総合大である北大に対抗するための統合構想だが、「枠組みから脱落する
大学が出ても不思議ではない」(同関係者)同床異夢の状況となっている。
【江口一、渡部宏人】