☆大学「トップ30」選考、研究能力や将来性重視
.[he-forum 4030] asahi.com 05/29
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asahi.com 2002年5月29日付
大学「トップ30」選考、研究能力や将来性重視
世界最高水準の研究教育機関づくりをめざし、10分野で予算を重点配分す
る国公私大を決める「21世紀COEプログラム(トップ30)」の選考方法
が、29日発表された。分野ごとに審査機関を設置、高度な研究能力、個性的
な将来計画、特色ある学問分野といった3点の審査方針を示した。文部科学省
が細かな要領を作り、5分野については6月半ばにも公募、9月末には決めて
今年度から実施する。
文科省の委託を受けて選考審査にあたる「21世紀COEプログラム委員会」
(江崎玲於奈委員長、事務局・日本学術振興会)がまとめた。
対象は大学院博士課程レベルの研究機関。6月に公募を始めるのは生命科学、
化学・材料科学、情報・電気・電子、人文科学、学際・複合・新領域などの5
分野。残る医学系、社会科学などの5分野は来年度になる。
応募する大学は、将来構想と、その研究機関の教育研究の計画書、要望予算
額を文科省に申請。さらに▽所属する研究者の研究論文の発表状況または専門
書の執筆状況▽各賞の受賞歴▽科学研究費補助金と各種助成金の受け取り状況
▽教員の他大学での経験と任期制、公募制の状況▽機関の特色を示すデータ−
−など細かな資料を出す。
それをもとに、「プログラム委員会」の中に置かれる分野別の「審査・評価
部会」が外部の専門家の意見も聞いて書面審査。そこで選ばれた大学の関係者
からヒアリングをして、候補を選定する。審査する委員は各分野20人程度。
研究者のほか経済界などの民間人も入れる。
審査・評価部会の結果をもとに、各部会長で構成する「総合評価部会」が全
体調整し、各分野で平均20機関程度の候補を決定、文科省が予算配分する。
予算総額は約180億円。各機関は、原則5年間続けて年間1億〜5億円を受
け取る。
選考過程は非公開。結果は公表するが、理由などどこまで公表するかは決まっ
ていない。
審査方針は(1)優れた成果を上げ、将来の発展性もあり、高度な研究能力
を持つ人材育成が期待できる(2)学長の指導力のもと、個性的な将来計画と
強い実行力で世界的な機関になれる(3)特色ある学問分野で独創的、画期的
な成果が期待できる−−の3点を挙げた。この方針に加え、具体的な評価の着
目点として3点11項目を示した。「現状は十分といえなくても将来世界最高
水準になりうるか」「若手研究者が独立し、その能力を十分に発揮できるよう
になっているか」−−など将来性を重視する項目もある。
江崎委員長は「将来構想を重視したい。評価は主観的なもので、客観的なも
のはあり得ないと思う。評価者の見識に任せるしかない」と話した。 COE
はセンター・オブ・エクセレンスの略で、文科省は「世界的教育研究拠点」の
意味で使っている。