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愛学院大で日本高等教育学会 大学構造改革でシンポ=愛知
 . [he-forum 4027] 読売新聞中部版05/29
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『読売新聞』中部版  2002年5月29日付

愛学院大で日本高等教育学会 
大学構造改革でシンポ=愛知

 
 ◆国学院大阿部氏 競争条件平等が前提
 ◆名古屋大奥野氏 大学が地域の中核に

 日本高等教育学会の第五回大会(大会準備委員長・藤田幸男愛知学院大教授)
が二十五、二十六の両日、日進市の愛知学院大で開かれた。全国から高等教育
を研究する大学教員らが集まり、授業評価や大学院教育などについて、研究発
表し、議論を交わした。(井沢 夏穂)

 二日目の二十六日には、公開シンポジウムが行われ、文部科学省の合田隆史・
大学課長や国立、私立大の幹部が「大学の構造改革」をテーマに議論した。

 シンポジウムには同教育学会の会員や地元の大学関係者ら約二百人が参加。
「大学の意思決定の中で、ボトムアップをどう生かすか」「専門的な能力を持
つ大学職員を養成するにはどうすればよいか」など、大学改革を巡りパネリス
トへの質問が相次いだ。

 ◇大学が主体的に変わらなければ 文科省大学課長

 合田課長は、文科省が昨年六月に発表した「大学の構造改革の方針」につい
て、「従来の改革論議の延長線上にあり、決して唐突なものではない」と説明。
そのうえで、「大学は社会に促されてやむなく変わるのではなく、主体的な改
革によって社会の支持を取り付けなければならない。大学が主体的に変わる必
然性を生み出さなければいけないという危機感が、構造改革プランの背景にあ
る」と話し、「大学を変えるためには何をすべきか、構造改革を契機に考えて
いただきたい」と大学側に改革を求めた。

 これに対し、大学幹部からは、構造改革に対する意見や各大学での取り組み
についての発言が相次いだ。

 国学院大の学長であり、理事でもある阿部美哉氏は「国立大の法人化にあたっ
て競争の条件の平等性がいかに担保されるかが、問題だ」と指摘した。また、
自らが学長就任後に行った経営改革について紹介したうえで、「私学は建学の
精神と大学の特性を明確にしなければならない。学長も理事であれば、経営責
任を負わなければならない」と話した。

 これに対し、法人化の準備を進めている名古屋大の奥野信宏・学長特別補佐
は「大学より企業の研究のほうが最先端で、専門教育も企業でするからよいと
言われた時代があったが、大学が社会と連携すれば何かが出来るのではないか
という期待がここ数年高まってきた」と語った。そのうえで、「名古屋は特に
大学の存在感が薄い。これからは、大学が地域の中核として迎え入れられ、活
動出来るようにならなければならない」と指摘した。

 ◇地域との連携で初めて一流大学 龍谷大副学長

 また、龍谷大の河村能夫副学長は、大学と地域との連携拠点である「龍谷エ
クステンションセンター(REC)」設立の取り組みについて紹介し、「教員
の中には地域との連携に否定的な人もいるが、地域と連携しなければ日本の大
学は一流になれない」などと力説した。