☆山形大が教育学部を新学部に移行へ
[he-forum 3999] 山形新聞05/23.
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『山形新聞』2002年5月23日付
山形大が教育学部を新学部に移行へ
南東北3大学間の再編協議に伴い、教員の計画養成機能を維持することを断
念した山形大教育学部が新学部に移行した後の名称として、「人間」「発達」
が浮上していることが22日、明らかになった。これに「科学」を組み合わせた
「人間発達科学部」などが有力な候補に挙がっており、教員養成に力を注いで
きた教育学部は、大きく方針転換する見通しとなった。
関係者の話を総合すると、年度内に新学部の設置案を取りまとめ、国立大の
独立行政法人化に合わせて2004年度に新学部として再スタートする方針。名称
が学部の方向性を大きく左右することになり、環境、情報、国際化、福祉など
時代と地域の要請を踏まえたキーワードを包含する「人間」や「発達」が現段
階で有力視されている。
全国的には教育人間科学部(横浜国立大)、発達科学部(神戸大)、人間科
学部(早稲田大)などの新しいタイプの類似学部があり、山形大の特徴をどう
打ち出すか知恵を絞ることになりそうだ。
22日夜、緊急会見に臨んだ仙道富士郎学長は「頭の中には『地域』『教育』
というようなキーワードがあるが、これから学部内、さらに全学的に検討して
いく」と語った。
その際、同じ小白川キャンパス内の人文学部、理学部を含む3学部の再編が
行われる可能性もある。仙道学長は個人的な見解として「教育学部の問題を契
機とし、大学全体の組織替えを考えなくてはならない」と述べ、大幅な学部再
編の可能性を示唆した。
中心は宮教大〜学長会見
南東北の3大学間協議で、教員の計画養成機能を引き継ぐ「担当校」になる
ことを断念した山形大の仙道富士郎学長は22日夜、教育学部の石島庸男学部長
とともに緊急会見に臨んだ。山形大が再編の受け皿にならない理由について、
仙道学長は「東北の教員養成は、宮城教育大がリードしてきたと認めざるを得
ない」と述べ、最終的な判断材料は、宮城教育大と山形大の客観的な比較と説
明した。
東京出張から帰県後、石島学部長から21日の教授会について報告を受けた仙
道学長は「3大学(宮城教育大、山形大、福島大)で議論した場合、再編後の
担当校は1校になる。山形大教育学部は輝かしい伝統があると自負するが、中
心になるのは東北の教員養成をリードしてきた宮城教育大ではないか」と述べ
た。
仙道学長は教育学部の判断に基づき、近く開催予定の学部長会議で、山形大
が教員を計画養成しない一般校になり、教育学部が新学部に移行するという内
容を提案する考えを示した。4付属校(幼稚園、小学、中学、養護学校)につ
いては、存続の方向で検討していく考えをあらためて強調した。