☆「教員養成の存続を」98% 横国大OB会がアンケート
[he-forum 3939] 神奈川新聞05/14
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『神奈川新聞』2002年5月14日付
「教員養成の存続を」98%
◆横国大OB会がアンケート
教員養成学部の存廃問題で揺れる横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区常盤、板
垣宏学長)のOB会「友松会」(伊従寿雄会長)が、現・元教員や市町村教育
委員会などを対象に行ったアンケート調査をまとめた。教員養成存続を求める
声は98%に達した。東京学芸大学への統合案へは、通学・経済面のマイナス、
大量教員養成への疑問、地域教育の主体性の放棄などと反発が強い。
調査は今年三月上旬実施した。対象は会員に限らず、現・元教員、市町村教
委のほか、各教育長、公務員、会社員、自営業など五百四十九通。回収は四百
六十八通(回収率85・2%)。結果は既に大学側に伝えた。
まず、教員養成学部の存廃では、廃止反対が四百六十(98%)、廃止賛成
は八(2%)で、圧倒的に存続を支持している。
その理由(複数回答)として、他都府県への通学・経済面のマイナスが三百
十三(68%)、地域と密着した教育ができなくなる二百九十三(64%)、
教育現場と教員養成機関との連携が取りにくくなる二百八十三部の廃止に強い
危機感を持っていることがうかがえる。
意見として、「本県の教育を行う人材は、県内の大学で養成すべき」「県内
に国立の教員養成学部がなくなると、教員の質を下げる」「学芸大に統合され
ることで大学間に優劣を付けることになる」などと懸念を示している。
さらに「地方の特色を生かした県の教育は、県内に国大があってのこと。効
率だけでは困る」「国大が教員養成を放棄することは、本県教育の主体性を放
棄することだ」「県内から教員養成課程を解消させるのは暴挙」などの厳しい
意見が並んだ。
同時に、「県内で学んだ教員志望者が地元で教職に就けるように採用者側の
配慮を」「教員志望の学生の大半が県内の小中高に採用される条件づくりを」
など、養成した教員の受け入れを求める自治体サイドへの注文もあった。
一方、廃止賛成の意見では、「多様な教育に柔軟に対応するには、いろいろ
な人材の教員が必要」「大きく合体して全国いくつかの大学にまとめるのが妥
当」などがあった。「派閥化の解消に役立つ」「国大自身が県内の教育に密着
していなかったことが悔やまれる」との指摘もあった。
伊従会長は「本県の教育を担う人材づくりに国大がどうかかわるのか、かか
わらないのかという問題だ。反省点、批判はしっかり受け止め、大学の在り方
の検討に生かしてほしい」と話している。