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☆「研究成果は大学や機関のもの」、文科省検討会が報告書
 
[he-forum 3935] 日本工業新聞05/13.
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『日本工業新聞』2002年5月13日付

「研究成果は大学や機関のもの」、文科省検討会が報告書


 公的研究機関や国立大学の研究者が生み出した特許権や研究材料などが、研
究者個人のものか、研究機関や大学のものになるのかを議論していた文部科学
省の検討会(主査・小原雄治氏=国立遺伝研究所教授)は、原則として研究機関
や大学の所有とする報告書をまとめた。研究者個人の所有とした場合、管理や
利用が難しくなるためで、特許権などの知的財産権については、研究者に利益
の一部を還元する。

 検討会は、理化学研究所の研究者(当時)が以前勤めていた米国の研究所から
遺伝子試料を持ち出したとして昨年5月、米経済スパイ法違反で起訴された事
件がきっかけで設けられた。この報告書は、公的研究機関や国立大学が今後、
研究成果の取り扱いに関する規定を整備する際のガイドラインとなるため、文
科省は近く担当者を集めた説明会を開く方針。

 これまで、公的研究機関では特許権などの知的財産権が原則として研究機関
の所有となっていたが、国立大学では、研究者の自由な発想で研究が行われる
ため、研究者個人の所有となっていた。また、研究材料やデータなどについて
は、ともに明確な定めがなかった。

 報告書では、特に国立大学の研究者が生み出した知的財産権について、個人
所有のままでは管理が難しく、他の研究者や企業による利用が進まない問題点
を指摘。2004年度に法人化されるのに併せ、国立大学でも大学の所有に切り替
えることにした。

 研究成果の取り扱いについては、政府の知的財産戦略会議や内閣府の総合科
学技術会議でも議論している。