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☆福大の教員養成課程/再編で存続困難/自然科学系増設、両立せず
 
[he-forum 3871] 福島民報04/26.
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『福島民報』2002年4月26日付

福大の教員養成課程/再編で存続困難/自然科学系増設、両立せず

 
 福島大(臼井嘉一学長)は自然科学系の増設と教員養成大・学部の再編・統
合の受け皿となる「担当校」を目指してきたが、25日までに両者の両立は困
難な見通しとなった。同大は両立案を文部科学省に示したが、少子化の進展や
国の行財政改革の流れの中で、教育学部充実と自然科学系の増設の両方を実現
するのは難しいとの感触を得た。担当校にならなければ、教員養成課程は存続
できなくなる。同大は担当校断念を視野に、一般校として本県の教員養成と現
職教員の再教育の充実を図るための検討に入った。

 福島大は自然科学系の増設と教員養成大・学部の再編・統合の受け皿となる
「担当校」の両立案をまとめ、今月16日、文部科学省とのヒアリングに臨ん
だ。しかし、文科省から教員養成を担う担当校と自然科学系の増設の両立はあ
り得ないとの発言があり、構想の見直しを求められた。

 自然科学系を増設するためには、担当校を断念せざるを得えず、同大は一般
校になった場合を想定した新しい「教育系学類・学群」構想の検討をスタート
させた。

 一般校になれば、教員免許の取得が卒業要件となる教員養成課程の定員(現
行220人)を担当校に引き渡すことになる。同大は、教員免許の取得を必須
(ひっす)としない生涯学習課程に、教員養成の機能を持たせるような形で見
直す方針。現職教員の再教育については一般校に置かれる「教職センター」の
機能や役割、組織構成などを検討する。

 教員養成課程が無くなることで福島市にある小学校、中学校、幼稚園、養護
学校の付属校は現状のままでの存続は難しくなる見通し。大学側は研究の性格
付けや定員などを見直した上で存続させたい意向だ。

 来月上旬までに一般校を想定した再編案をまとめ、来月中旬に予定されてい
る福島大と宮城教育大、山形大との3大学連絡会議で検討材料にしたい考え。
連絡会議では、宮城教育大が南東北3県の教員養成と現職教員教育の充実に向
けた構想を提示する方向で準備を進めている。

 文部科学省教育大学室は福島民報社の取材に対し、明確な回答は避けたもの
の「一般論として、新しい学部をつくることは大変なこと。少子化や(国の厳
しい)財政事情の中で純増は難しい。既存学部の見直しや教員養成学部の再編、
統合などさまざまな角度から検討する必要がある」としている。