☆「法人化」国大協が承認 一部に異議
[he-forum 3834] 北海道新聞2002年4月20日朝刊
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北海道新聞2002年4月20日朝刊
「法人化」国大協が承認 一部に異議
準備へ特別委設置
全国の国立大学で組織する「国立大学協会」(会長・長尾真京都大学長、全国
九十九大学、うち道内七大学)は十九日、東京都内で臨時総会を開いて、文部
科学省の調査検討会議が三月にまとめた、国立大学の独立行政法人化の最終報
告の受け入れを、賛成多数で承認した。国大協が「独立行政法人化」を認めた
のは初めて。
ただ、総会では鹿児島大や静岡大など一部の大学から「研究教育の自主性・自
立性を犠牲にする」と受け入れ反対や疑問の意見が出たため、異例の挙手によ
る採決となった。
二○○四年度予定の法人化に伴い、国大協自体は自然消滅するとして、今後の
組織の在り方と、法人化に対応するための特別委員会を国大協内にそれぞれ設
けた。総会後の会見で、長尾会長は三年後の法人化に向けて全力で準備を進め
ると決意表明をする一方で、「今後、どんな問題が起きるのか不透明なので、
一年後に無理があると分かったら(延期などを)意見表明することもあり得る」
とつけ加えた。
この承認に対して、北大教官有志でつくる「独法化問題を考える北大ネットワー
ク」世話人の一人、辻下徹・同大大学院理学研究科教授は「九○年代、大学間
の予算格差の拡大や、行政指導の強化が進み、大学全体が疲弊した。それをさ
らに徹底する独法化で大学は活力を失う」と受け入れ方針を批判した。その上
で「国立大学法人法案を審議する国会は国大協の意見に左右されず独自の判断
を示してほしい」と話している。