☆中教審、「専門職大学院」創設求める中間報告案
.[he-forum 3798] asahi.com 04/15
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asahi.com 2002年4月15日付
中教審、「専門職大学院」創設求める中間報告案
中央教育審議会の大学分科会は15日、専門的な職業人の養成をするための
新たな大学院として「専門職大学院(仮称)」制度の創設を求める中間報告案
をまとめた。修了者には、修士や博士ではない独自の学位が与えられる。04
年度にも開設できるようにする。法科大学院(ロースクール)も「専門職大学
院」の一つに位置づけられる。
中間報告案によると、同大学院では、「国際的にも社会の各分野でも通用す
る高度で専門的な職業能力を有する人材」の養成を目指す。対象分野は(1)
国家資格など職業資格と関連した専攻分野(2)社会的に人材養成が必要とさ
れている専攻分野。
審議途中では、経営管理、公共政策、公衆衛生、金融政策、通訳やジャーナ
リズムなど具体的な分野も出たが、「将来的に多様な分野が想定されるので限
定しない」として、あえて報告書に分野は示していない。
修業年限は分野によって必要な教育期間が異なることから、「教育内容など
にふさわしい修業年限が定められる」と弾力的な内容にした。
教育の特徴は研究を重視しない点。学位論文などの研究指導は必修にせず、
事例研究、討論、現地調査、実習などの実践的な教育をする。修了要件は授業
の履修単位のみで、論文や研究成果の審査は要件にしない。相当数の実務家教
員を専任とすることを義務づける――などとしている。
職業人養成のための大学院としては、研究者を育てる現在の大学院制度の枠
の中で、文部省(当時)が「専門大学院」制度を99年に創設。一橋大や京大
など6大学が、大学院の一部に、経営管理や公衆衛生などのコースを作ってい
る。
しかし、中間報告案は専門大学院について、「これまでの修士課程との違い
がはっきりしない」と指摘。法科大学院の修了要件や教員体制などが、現状の
制度の枠とは大きく違うことから、専門大学院も法科大学院も包括した新たな
形の大学院制度として「専門職大学院」の創設を求めた。
18日の中教審総会で、正式な中間報告を文科相に提出。今夏にも出す最終
報告に向け、今後は学位の名称などを審議する。