☆<京都大>研究パートナー求め民間にセールス 大阪でフォーラム
. [he-forum 3760]毎日新聞04/10
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<京都大>研究パートナー求め民間にセールス 大阪でフォーラム
毎日新聞ニュース速報
多数のノーベル賞受賞者を輩出する一方、民間との共同研究では遅れを取っていた京
都大が、研究パートナーを求めてセールスに走っている。来月15日には、大阪市北区
の大阪国際会議場に約360の企業、自治体や財界関係者を招き、「新時代の産学官連
携の構築」をテーマに「京都大学・関西フォーラム」を開催。東京に続き、“商都”大
阪にも、窓口として連絡事務所の設置を検討している。04年度にも導入予定の国立大
の法人化をにらんだ布石とみられ、国立大も生き残りをかけた戦国時代に突入する。
フォーラムでは長尾真学長をはじめ、生体肝移植の権威の田中紘一・京大病院長や、
微生物研究の産業利用、インターネット利用など学界の研究をリードする看板教授が相
次いで講演。引き続く懇談会で、大学側と産業界関係者が情報や意見を交換する計画だ
。
京大は昨年5月、共同研究の打ち合わせなどの場として東京都内に東京連絡事務所を
設置。大使館など国内外の学術交流団体や経団連など企業関係者を招き、2回のフォー
ラムを都内で開いてきた。
学内では昨年、国内最大級の産学共同研究拠点「国際融合創造センター」を開設。産
学連携が国立大の中で最も遅れているとされていた京大だが、このセンターは教員26
人を抱え、一気に巻き返しを図る態勢という。産業界からは「関西でもフォーラムを」
との声が強まり、大阪開催が決まったという。
一方、“本丸”に乗り込まれる形の大阪大も危機感を強める。城野政弘・副学長は「
本格的な競争時代になった。安閑とはしていられない」と京大の動向を注視する。
このような動きに対して、京大内では「産業・政府主導で国民の生命や安全、環境に
かかわる研究が軽視される」と懸念する声も上がっているが、松重和美・同センター長
は「あくまでも京大の知的資産の公開が目的だ」とアカデミズムの社会的還元を強調し
ている。 【大島秀利】
国立大の法人化 国立大を国から独立して法人化する構想。国が支出する運営費交付
金は、各大学の実績評価をもとに決定し、使途は大学独自の計画に基づく。新製品の開
発や販売など収益事業も可能になり、教職員は企業での兼職も認められる。
[2002-04-10-15:05]