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独行法反対首都圏ネットワーク

宮教大と教委/連携強化の意義確かめて
 
[he-forum 3754] 河北新報社説04/08.
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『河北新報』社説  2002年4月8日付

宮教大と教委/連携強化の意義確かめて

 宮城教育大と宮城県教委、仙台市教委が連携強化を図ることにし、覚書を交
わした。大学と教委、どちらにとっても意義を生かしたい試みだ。

 地方の国立大、とりわけ教員養成大学は文部科学省が統廃合を打ち出したの
に伴い、将来像が問い直されている。

 学校、教育委員会に対しては、学級崩壊やいじめに加え、「ゆとり」拡大に
伴う学力低下の不安が向けられている。

 そんな現状認識と内省に立ってこそ、連携の意義は生きる。中堅教師の研修
などを通じて成果を重ね、個性的な地方教育のデザインにつなげてほしい。

 覚書が連携の対象事業に挙げているのは、「教員養成」「教員研修」「児童・
生徒の学校生活支援」などの項目だ。

 他県での類似の事例としては、おととし9月に覚書を締結した岡山大教育学
部と県教委、昨年3月に始まった岐阜大教育学部と県総合教育センターなどが
ある。

 国立大教育学部・教員養成単科大学の統廃合を急ごうとする文科省の動きに
対して、大学関係者が反対するほどには地域の声が高まらないのが実情だ。

 このことは、地域社会への寄与という点で、大学の自己評価と地域の見方に
落差があることを示してはいないか。宮教大は、そんな反省も含めて取り組み
体制を整える必要がある。

 連携事業の具体化を進める中で重視してほしいのは、教師の研修強化である。
岐阜県では、6年目に入った教師の研修が採り入れられた。

 新しい学習指導要領の「ゆとり」拡大をめぐって文科省の姿勢が揺れ、学校
現場にも影響しているように見える。加えて教師は、親が訴える不安に直接向
き合わなければならない。

 中堅同士が大学の研究者も交えて現場の悩みを分かち合う。そういう機会を
増やしたい。大学側が教訓をくみ取れば、学生教育にも反映するだろう。

 教師の専門性を高めていくのが長期的な課題である。連携の強化を、手だて
の1つにしたい。