☆ 学長会議で批判相次ぐ ”学問が衰退してしまう”
.しんぶん赤旗 2002.4.4
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しんぶん赤旗 2002.4.4
独立法人化
学長会議で批判相次ぐ
”学問が衰退してしまう”
国立大学を独立行政法人化する「最終報告」(三月二十六目)の理解を求めて文部科学省は、三日、東京で国立大学長会議を開きました。各大学の学長から「教育内容が制限され、学問が衰退せざるをえない」「文化教育や基礎研究がおろそかになる」と根本的な批判が続出しました。
鹿児島大学の田中弘允学長は、文科省自身が「国立大学の独法化は、…大学の教育研究になじまない。大学の個性化に逆行する」(一九九七年十月の文部大臣所信)としていたと指摘し、「大学の中期目標を文科大臣が認可し、評価結果にもとづいて予算措置をとるなどの仕組みでは、教育内容が制限され、学問が衰退せざるをえない」とのべました。 「独法化で経営が各大学にまかされると、お金はかかるが日本社会の体カの基礎となつている文化教育や基礎研究がおろそかになる」(宇都宮大学)、「国の高等教育予算が低いという問題点がどこにも書かれていない」(福井大学)、「最終報告は、組織のあり方や学長選考の仕方、教職員を非公務員にするなどたくさんの問題点がある、今後、学内から私たちに寄せられた意見は反映されるのか。独法化には無理があり、実態にそくして考えてもらいたい」(滋賀大学)など、批判が相次ぎました。
工藤智規高等教育局長は、「全員一致などといっていたらいつまでかかるか。良い改革はいっせいに早くやろう」などと答えました。
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全国大学高専教職員組合は同日、緊急集会を開き、学長会議の会場入り口で「国民の期待を裏切る大学『改革』に反対!」とのビラを学長に手渡しました。