☆外国人の学長可能、国立大法人化で最終報告
[he-forum 3654] 読売新聞03/27.
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『読売新聞』2002年3月27日付
外国人の学長可能、国立大法人化で最終報告
国立大の改革を検討してきた文部科学省の調査検討会議(主査・長尾真京都
大学長)は26日、国立大の法人化を提案した最終報告を遠山文部科学相に提
出した。昨年9月の中間報告で結論が出なかった教職員の身分は、柔軟な人事
制度を実現するため、「非公務員型」とし、外国人の学長就任も可能とした。
報告を受け、文科省は国立大学法人法案を来年初めの通常国会に提出する予定
で、早ければ2004年度から移行する見通しだ。
報告は、教職員の給与体系といった人事制度や、新学科の設置などの組織運
営を大学独自の決定に任せるのが大きな柱だ。これにより、国立大の活性化と
能力主義の徹底を図り、競争力強化を目指す。
教職員約11万8000人の身分については、〈1〉能力や業績に応じた給
与体系が導入できる〈2〉企業の役員・職員と兼業できる〈3〉外国人が学長、
学部長などの管理職に就任することが可能――などの長所から、非公務員型と
した。
弾力的に人材を活用することで、大学の活性化を目指す。併せて、大学側か
ら懸念の声が上がっていた医療保険や年金などの待遇について、国家公務員と
同水準とすることで「身分保障」にも配慮した。
組織運営の面では、各大学は中長期的な目標、計画を作成、各自の責任で実
行する。事業も独自に行えるようになり、研究で取得した特許に伴う収益は自
己収入として使えるほか、共同研究を行う企業への出資も可能で、研究や経営
努力への見返りがある仕組みとなる。
こうした運営を円滑に進めるため、学長を最高責任者と位置づけ、最終決定
権を付与し、リーダーシップの発揮を期待している。
各大学は幅広い裁量が認められる一方、説明責任も重くなる。教育や研究の
実績、財務内容は、文科省に設置される「国立大学評価委員会」(仮称)がチェッ
クし、公表する。その結果は国からの交付金に反映され、大学間に競争原理が
働くシステムを目指している。