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独行法反対首都圏ネットワーク

☆意義の訴えー文部科学省を囲む人の輪 2002-3-22
 
.[he-forum 3620] 文部科学省を囲む人の輪 2002-3-22
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he-forum のみなさま

全国ネットが呼びかけている [he-forum 3609] 「人間の鎖」
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/humanchain.html
に世話人でありながら参加できませんので、その意義を訴えることで参加した
いと思います。

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 今週金曜日、3月22日12時30分に文部科学省を人の輪で囲む運動があ
ります。静かな人の輪は、日毎に生長しつつある文部科学省の権限に「魔法」
の轡をかけるものです。それは同時に、中央省庁全体からありとあらゆる方向
に延びて日本社会全体に絡みついている蔓を枯らす風を起こすことも有りえま
す。関東地区の方で趣旨に同意される方は、是非お越し下さいますようお願い
致します。

 なお、[he-forum 3609] にも書かれているように「象徴的な表現行動であり
封鎖ではないので目的に沿った平穏で安全な行動を取ることと」と「乱暴なこ
とばなど「言葉の暴力」も含め,誰に対してもいっさい暴力をもちいない.ま
た,危険な物は一切所持しない」ことが参加者に義務付けられています。



 文部科学省は、協力者会議による3月26日の最終報告を受けた後、種々の
法整備を行った後2004年4月に国立大学を独立行政法人化する予定を立て
ています。世間では、独立行政法人化をしばしば「独立法人化」と省略し、国
立大学が政府から独立して何が悪いのか、と言う方も多いようです。しかし、
最終報告案を見るかぎり、多少自由になると言われていることは「箸の上げ下
ろし」だけで、何を食べ何をするかの自由は奪われる、と言うことができます。
これでは「従属法人化」ではないか、という人も少なくありません。
 国立大学改革を画一的なものにしてきたのは、文部科学省の予算配分・施設
整備計画を介した徹底した行政指導でした。その強制力のすさまじさは、遠山
プランを強行しようとして文部科学省が最近行っている振り構わぬやり口を通
して、日本社会全体の知るところとなったと思います。
  国立大学法人化した大学は、文部科学省による中期目標策定、文部科学省・
総務省による事後評価に基づく改廃審査と次期予算算定、というメカニズムを
通して、中央省庁に直接コントロールされることになります。高等教育予算削
減の背景と、監事や(学外者・事務官等に解禁された)副学長・運営協議会委
員への天下りを通しての大学内部からのコントロールとが組み合わされること
で、中央省庁の大学コントロールは完ぺきに近いものになるでしょう。

  国立大学協会だけでなく、私たち大学関係者の多くは、高等教育予算が拡充
され国公私の財政格差が良い方向で解消されることと、高等教育予算配分権が
中央省庁から独立されることを、今の日本の大学全体の活性化に最低限必要な
こととして要求しております。しかし、国立大学の独立行政法人化は、今なお
政府部内では高等教育予算削減の手段として歓迎されているだけでなく、中央
省庁の高等教育予算配分権が強化される以上、私たちが必要不可欠と考える大
学行政改革の方向とは正反対のものです。

 マスメディアは、国立大学の独立行政法人化が既定事実であるという報道を
3年前から流す一方、多くの大学関係者・学術団体・団体の反対声明や運動を
全くと言って良いほど報道して来ませんでした。某大新聞や某放送局などは、
重要な節目毎に、意図的としか思えない「誤報」を流し、国立大学の独立行政
法人化を推進しようとしてきました。

 今回は、マスメディアに無視させない動きとして、文部科学省を人の輪で囲
むイベントが企画されました。産官学連携ではなく産官学癒着により、国立大
学が官僚の天下りの楽園となり、少数の大企業の私的研究所に作り変えられる
ことは、国益を甚だしく損なうもので盗国行為とさえ言えるでしょう。22日
に作られる人の輪は精神の輪となって生長し、「公」が日本に誕生させる契機
となるに違いありません。


辻下 徹
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh

最終報告案関係資料
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/doc/tkk-report.html