トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
独行法反対首都圏ネットワーク

☆今後の国立大学等の在り方に関する懇談会(第11回)における意見
.[he-forum 3496] 広島大学公表資料テキスト版
-----------------------------------------------------------------

今後の国立大学等の在り方に関する懇談会(第11回)における意見

○ 国立大学は学長の権限が非常に小さい。大学の自主・自律が教授会の自主・
自律になっている。学長の権限を強める、あるいは、学外の目を入れるなど、
教授会のオートノミーを正す必要がある。

○ 学長に権限がありすぎても困る。一人に権限が集中することの弊害もある。
学長、副学長、評議会などを一体とした決定機関にしたほうが良いと思う。学
長も評議会の意見を聞き評議会も学長に協力するということになっていれば均
衡が取れる。学長の権限が強くても弱くても困るので、どうすれば中間的にな
るかを考える必要があるのではないか。

○ この機会に学長の権限を相当大きくすべきではないか。その場合、学長の
チェックシステムを入れなければならない。

○ 日本の国立大学は、管理者と被管理者、エンプロイヤーとエンプロイーの
ボーダーがはっきりしていない。それではマネジメントできない。管理者は、
人事権と予算配分権が必要。誰が意思決定をするのか明確にすべき。なお、基
本的には学外者が意思決定するのは良くないのではないか。
 日本人にも日本の組織にもオートノミーが欠けている。日本にはオートノミー
を発揮している大学が少ないので、文部科学省が指導したほうが良いのではな
いかと思う。どれほど大学にオートノミーがあるかによって、運営組織、中期
目標の設定の具体案が決まってくるはず。

○ 今回の改革で最も重要なことは、大学運営の責任者は誰かということを明
確にすることではないか。
 現状では、部局長会議が実質的な決定を行っており、評議会は形式的だが、
新しい組織では、評議会の役割を明確にし、責任体制の明確化を図るべき。ま
た、運営諮問会議は、単なる報告の拝聴に終わっているのが現状であり、役員
会の外のところに大きな権限を持たせてもうまくいかない。そういう意味から
学長副学長のところに学外者が入った役員会を管理者として明確にし一方で責
任も負っていただくということが良いのではないか。

○ 教学と経営を観念的に分けても実際には両方がいっしょに議論することに
なるのではないか。2つに分けないで1つの協議体で議論してはどうか。そう
すれば、学外者も学内のことがわかるし、学内者も学外のことがわかる。1つ
の組織にまとめたほうが円滑に行くのではないか。

○ 同じ議題を経営と教学の両面から審議することは可能。そして、役員会が
それを踏まえて統括するというの形はできる。その意味で、バリエーションの
1でいけると思う。

○ 経営面だけ学外者が入るというのでは大学は良くならないのではないか。
5人でも3人でも良いから評議会にも学外の識者を入れるなど、外部の目を入
れてはどうか。

○ 現状の週一回程度の部局長会議でものごとが決められているが、役員会を
週一度程度開催するのであれば学外者の参画は画餅に終わるのではないか。

○ 個々の教官の人事まで評議会で行うとすると大きな大学ではうまく機能し
ないのではないか。評議会、教授会の審議事項をうまく整理することが必要で
はないか。

○ 学長選考については、学長のリコール権をどうするかが重要。

○ 現状のままの国立大学では国際競争に勝てない。競争という面では、法人
化を契機に終身雇用を見直し任期制を導入すべきまた給与も見直さなければ優
れた学者が海外に流れてしまう。

○ 競争原理も大切である。何もしなくても潰れない組織は腐敗する。この機
会に大学が努力しないと潰れる仕組み、例えば競争的資金の間接経費による大
学予算やテニュアなどの任期制などを検討すべきではないか。

○ テニュア制は必要ではないか。若くて優秀な教員を雇用しようとしても、
マーケット・バリューに応じた給与を支給できない。学長に、人事権、給与決
定権を与える必要がある。

○ 教員選考は、法人に任せることとなるだろうが、具体にはどうするのか。
また、現在は運営諮問会議が形骸化しているが、学外の有識者を有効に活用す
るためにどうすべきか、今後検討していく必要がある。

○ ある程度の職員の人事交流が必要。うまく交流できる仕組みを作る必要が
あるのではないか。
 また、学部長の任期が2年や1年というのが現状だが、これでは何もできな
い。大学に任せるにせよ、どうあるべきかを中央教育審議会などで議論してお
く必要があるのではないか。

○ 日本の大学間には競争というコンセプトが少ない。これからはコンペティ
ションをビルト・インしないと良くならないし自主性も自律性も生まれてこな
い。

○ 中間報告では、各種のモデルの作成について言及されているが、どこで作
るのか、最終報告では明確にすべきではないか。

○ これだけは最低限度必要というもの以外は、できるだけ規制緩和したほう
が良い。