企業の研究を大学で・・・産学一体の試み―秋田大工学資源学部
[he-forum 3467] 毎日新聞秋田版02/21.
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『毎日新聞』秋田版 2002年2月21日付
企業の研究を大学で・・・産学一体の試み―秋田大工学資源学部
◇大学側・・・学問の成果を実用/企業側・・・高度な設備を利用
「企業の研究を大学で請け負います」。秋田大学工学資源学部は新年度から、
県内の企業から公募したテーマを研究し、大学の卒業論文や大学院の修士論文
で発表する。企業にとっては長引く不況で研究費が削られる中で、高度な設備
を持つ大学を利用するチャンス。一方、大学側も学問の成果を実用的な研究に
生かせると期待している。【田所柳子】
県内では初めての試みという。大学が昨年12月に県内企業約350社に呼
びかけたところ、電気や電子機器、土木関係など約20社が申し込んだ。22
日に事業説明会を開き、研究分野の一致する研究室と企業が個別面談する。3
月に研究テーマを決定し、学部は03年2月、大学院は04年2月に研究成果
を発表する。
研究の内容や数は未定だが、環境分野や材料工学、電気電子などの商品開発
向けの研究への関心が高いという。教官が学問的価値があるかを判断し、採用
する。費用は場合によっては企業も負担し、特許や論文などの権利は個々に決
める。
この試みを提案した同大の地域共同研究センターの川上洵センター長は「大
学が地域社会に貢献できるうえ、学生は実際の研究開発を学び良い刺激が得ら
れる。教官も社会のニーズを知り研究の幅を広げるチャンス」と話している。
問い合わせ電話018・889・2318、広報担当。