☆山形大に“学際”研究所−人文学部中心に既存の領域超え
. [he-forum 3422] 毎日新聞山形版02/09
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『毎日新聞』山形版 2002年2月9日付
山形大に“学際”研究所−人文学部中心に既存の領域超え
◇成果は一般に還元
山形大(仙道富士郎学長)は、「都市」「地域」をテーマに、学部を超えて
研究者が行政や民間人と連携を取りながら研究を進める「山形大学都市・地域
学研究所」(所長、松尾剛次・人文学部長)を設立する。13日の大学評議会
で承認される見込み。研究施設を持たない“バーチャル研究所”で、地方都市
から全国・世界にアカデミックなメッセージを発信することを目的とする。
同研究所の設立構想は、人文学部を中心に昨年11月ごろ持ち上がった。歴
史学、宗教学、経済学、法律学、社会学、物理学、農学、医学などの専門分野
での研究を、行政や一般市民と連携し、町づくりなどに還元する。
同研究所は「歴史・文化研究センター」▽「地域科学研究センター」▽「環
境・社会システム研究センター」の4部門で構成。人文学部が中心となって他
学部に声をかけたところ、約60人の教授・助教授が趣旨に賛同している。
松尾学部長は昨年10月、医学部主催の終末医療の講演会に講師として招か
れ、専門の宗教学の観点で語り、学部を超えた研究の重要性を実感したという。
規則や予算面で組織作りを固めた後、来年度からシンポジウム、公開講座、機
関紙発行などを手がける予定。今月2日には県関係者や大学教授が集まり、設
立準備総会を開き、今後の運営方針を確認した。
松尾学部長は「文系・理系の区分や研究者の年齢にこだわらず、優秀な研究
者が活躍できるようにしたい」と抱負を語った。【江畑佳明】