トップへ戻る   東職HPへ戻る
独行法反対首都圏ネットワーク

国立大改革   将来像が実現のカギだ
 
[he-forum 3361] 沖縄タイムス社説01/31
---------------------------------------------------------------

『沖縄タイムス』社説 2002年1月31日付

国立大改革
将来像が実現のカギだ

 少子化で「冬の時代」を迎えた国立大学の改革が急ピッチで進む。

 文部科学省が公表したアンケートによると、全国の国立大、短大百一校のう
ち二十八校がすでに統合に合意している。

 生き残りをかけた大学再編の動きが加速しているといえよう。

 法科大学院(ロースクール)の設置を、予定あるいは検討中とする大学も二
十五校に上る。

 単位互換制度の導入も七割近くだ。「飛び入学」制も検討されている。大学
のキャンパスとは別に交通の便の良い所に教室を開く、社会人向けのサテライ
ト(衛星)教室も増えた。

 学生確保を目指して高校との連携を強化する取り組みも盛んだ。

 そうした背景には、少子化による学生の絶対数不足がある。加えて、目前に
迫る国立大学の独立行政法人化や競争原理による予算の傾斜配分などへの、大
学側の危機感もあるだろう。

 この厳しい状況を生き延びる試みが、各大学の進める自主改革にほかならな
い。

 統合は、同一県の総合大と医科など単科大のケースがほとんどだが、国立と
市立のような設置形態を超えた事例もある。また、県境を超える再編も模索さ
れている。

 とはいっても統合が、単なる大学の数減らしや名前を変えるレベルにとどまっ
てはならない。

 一つになることでどんな利点が生まれるのか、学生や地域が一番知りたいと
ころである。大学には、自らの将来像をきちんと示すことが問われる。

 琉球大学は地理的事情もあって、これまで統合の動きは伝わっていない。そ
れでも、大学改革に手をこまねいていられないのは、他の大学と変わらないは
ずだ。

 改革には、学生や地域住民が大学に何を求めているかを把握し、反映させる
ことが欠かせない。

 そのためにも大学が取り組んでいる改革の内容や将来構想を、もっと県内外
にアピールしてほしい。