☆静大方針 教育学部を単独存続
.[he-forum 3312] 朝日新聞静岡版01/24
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『朝日新聞』静岡版 2002年1月24日付
静大方針 教育学部を単独存続
再編統合計画に盛る
国立大学の再編統合に向けて文部科学省の懇談会が教員養成大学・学部の大
幅な再編統合の方針を打ち出す中、静岡大学は23日までに同大教育学部(静
岡市)を、ほかの教育大学や他大学教育学部とは統合せず、単独で存続を目指
す方針を固めた。文科省が各大学に策定を求めた再編統合計画に盛り込み提出。
近く同省のヒアリングを受ける。
1学年定員260人 専修の見直し検討
教員養成大学はこれまで「1県1学部」体制が維持されてきたが、少子化で
教員の需要が減ることなどから、文科省の懇談会は昨年11月に「近隣の複数
の都道府県を単位とした再編統合が適当」と報告。静岡大は「国の方針に抵触
するが、静岡県は380万人と人口規模が大きいことや、浜松などに外国籍児
童が多く、国際理解教育の必要性など地理的特性をふまえて決定した」として
いる。
9日の静岡大「将来構想委員会」(委員長・佐藤博明学長)で文科省への報
告の骨子を決めた。それによると、教育学部は単独で残すが、1学年の定員は
現在の400人を260人に減らす。現行の定員は、教職を目指す「学校教育
教員養成課程」(260人)と、教員免許の取得を目的としない「新課程」に
あたる生涯教育など3課程(140人)に分かれる。この新課程を廃止する方
針だ。
当初は定員を300人とし、新課程の定員の一部を教員養成課程に取り込む
ことも検討した。しかし、全国で約1万の教員養成課程の定員は増える見込み
がないため、今と同じ260人とした。新課程のうち、「国際理解教育」と
「生涯学習」は、地域の特性や将来の需要を考え、教員養成課程に組み入れる。
教育学部では、定員260人での存続を前提に、学部内の再編成を検討し始
めた。国語教育、社会科教育など教科ごとに細分化された専修を見直し、1類
(現在の国語、英語、社会科教育専修など)、2類(理科、数学教育専修など)
などに再編成する案が浮上している。
教育大や教育学部を維持する場合、文科省は定員300〜400人規模を目
安にしているとされるが、静岡大の方針はこれを下回ることになる。小和田哲
男・教育学部長は「文科省に11月末に相談した時の反応は『存続は微妙』だっ
た。希望的憶測かもしれないが、学部の編成やカリキュラムがしっかりしてい
ればゴーサインが出るのではないか」と話した。
一方、文科省との交渉で、大学として今回決めた方針の実現が難しくなった
場合にも備える。愛知教育大学や、山梨大学、横浜国立大学の教員養成課程と
の再編統合について、小和田学部長は「まず単独での存続を模索しながら、統
合の場合の相手先として学部長レベルで意見交換などを続けている」と語った。