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☆群馬大来年度改革案 大学間、産学交流を促進−−生き残りへ本格化 ◇附属病院草津分院、廃止も
 
.[he-forum 3296] 毎日新聞群馬版01/25
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『毎日新聞』群馬版  2002年1月25日付

群馬大来年度改革案 大学間、産学交流を促進−−生き残りへ本格化

 ◇附属病院草津分院、廃止も

 群馬大(赤岩英夫学長)が文部科学省に示した来年度大学改革案が24日、
明らかになった。県内の公私立大学と単位交換したり、企業との共同開発を進
める地域共同研究センターの新分室を設置するなど大学連携や企業交流を目指
す。また、温泉療法に実績を持つ医学部附属病院草津分院を今年度で廃止する
などの統廃合も推進させる方針で、大学間競争での生き残りをかけた改革の動
きが本格化してきた。【吉田勝、三木陽介】

 ◆単位互換◆

 大学連携では、前橋工科大、関東学園大、上武大、県立女子大など県内の公
私立大6大学との間で、3月末までに協定を結び、各大学の学生が他大学で行
われる授業を受け、互いに単位認定できるよう制度を導入する。導入のめどは、
10月1日の今年度後期から。

 群馬大によると、この制度の導入は、同大が中心になって数年前から提唱。
その結果、県内の6大学が呼びかけに応じ、今年度末に包括協定の調印を群馬
大を含む7大学間で行うことになった。今年4月以降は、互いに他大学の学生
を受け入れることができる講義を提示し合い、調整する。その後、夏休み前の
7月末までに各大学の学生に他大学での受講可能科目を告知し、10月1日以
降から実施する。

 ◆草津分院◆

 草津町草津で半世紀近くに及ぶ歴史を持つ群馬大医学部附属病院の草津分院
は3月末に廃止され、4月からは前橋市昭和町3の同附属病院本院に統合され
る。

 草津分院は52年4月、温泉療法を主体とした医学的な治療と研究を目的に
開設。現在は教官8人、ベッド数40床。昨年度の外来患者は8782人、入
院患者7244人。

 草津という日本有数の温泉地で、土地柄を生かした独特の温泉療法の研究と
治療は、地元住民をはじめ全国各地からの患者らに貢献。今後は前橋市の本院
で研究成果を生かしていくとはいうものの、草津分院の廃院、統合を惜しむ声
は多い。

 ◆地域交流◆

 地域共同研究センター(センター長・長屋幸助群馬大工学部教授)は来年度、
前橋市荒牧町の群馬大荒牧キャンパス内に新たに荒牧分室の設置を目指す。県
内各自治体や企業と連携、主に経済、行政分野で共同研究を行う。

 同センターは昨年4月、医学部内に医療分野での企業との技術開発を目指す
昭和分室(室長・小浜一弘群馬大医学部教授)を設置。さらに民間交流を円滑
に進めるため、三洋電機エコ・エネシステム研究所前所長の須斎嵩氏を、専任
助教授として迎えた。この結果、共同研究開発件数は前年度の約2・3倍の8
2件に増えた。

 ◇両学長、合併前向き−−埼玉大との学長懇初会合

 群馬大(赤岩英夫学長)と埼玉大(兵藤〓(つとむ)学長)が再編統合に向
けて設置した「学長懇談会」の初会合が24日、東京都千代田区一ツ橋の如水
会館で行われた。両大による初の公式な会合で、両学長は合併に前向きな姿勢
を示した。

 懇談会の冒頭、赤岩学長は「国際競争力を持ったより良い教育(環境)の提
供に努めたい。名実ともに総合大学となることが国民の負託に応える道だと思
う」とあいさつ。兵藤学長も「再編統合に向けて話し合いを始めることは、両
大にとって歴史的な一歩」と述べた。

 同懇談会には、両大の学長や副学長ら計10人が出席し、会合は約2時間に
及んだ。懇談会後の記者会見で赤岩学長は「統合に関して課題を整理し、両大
学の学部の特徴について認識し合った」と話した。「統合にはメリット、デメ
リットがあると思うが、デメリットを克服するだけのメリットがあると思って
始めたい」と意気込みを語った。

 教育、工学両学部が重なることについて、赤岩学長は「教育学部を両方同じ
ものを残すことはできないと思う」と統廃合の可能性も示唆した。

 次回は30日、さいたま市内のホテルで行われる。【大貫智子】