☆国立大学の再編の動き加速 大半が連携を模索
.[he-forum 3284] 河北新報01/25 .-
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『河北新報』2002年1月25日付
国立大学の再編の動き加速 大半が連携を模索
国立大の再編を推進している文部科学省は24日、各大学から報告された検
討状況を公表した。弘前、岩手、秋田の3大学が統合について協議を始めるな
ど、短大も含めた全国の国立大計101校のうち、36校が他大学との統合に
向けて検討に入ったほか、単位取得やカリキュラム編成について、大学間、大
学内両面にわたって何らかの連携策を模索していることが分かった。アンケー
トは今月実施、全校が回答した。
県境を超えた連携を進めてきた弘前、岩手、秋田の北東北3大学は、「再編・
統合問題に関する懇談会」を本年度内にも設置。統合の是非を含めた協議に着
手する。3大学とも重要課題と位置付け、新年度は3大学間の単位互換制度の
一部導入が検討材料に浮上している。
東北大は「海外の学生から見ても魅力的な大学づくりが必要」との観点から、
環境科学教育部・環境科学研究部や経営大学院の新設に取り組む方針。
宮城教育大は、基本方針に「教員養成における東北の拠点校化」を掲げ、小
学校教員養成を中心とした特色ある教育に取り組む。
福島大は、2004年度からの学生受け入れを目標に全学再編を検討中。現
在の教育、経済、行政社会の文系3学部体制を、「人文社会」「科学技術」の
2学群に組み替える構想だ。「人文社会」には(1)教育(2)行政政策(3)
経済経営―の3学類、「科学技術」には理工学類を設置。学群導入で従来の学
部の壁を低くし、人材育成に重点を置いた「ミニ総合大学」を目指す。
山形大は、今年末をめどに再編統合の構想案を策定する方針。教員養成系な
どでの近隣国立大との連携や学内再編をテーマに、学部長会議で議論を深める。
4月には「山形大基本構想委員会」(仮称)が発足。地域貢献など地元密着型
大学としての在り方を考える。
弘前大は、文理融合型の大学院博士課程として、新たに地域社会研究科を設
け、大学院の整備充実に力を入れる。
岩手大は、02年度から現在の人文社会科学、教育、工、農の4学部体制の
見直しに着手。また、同大学を含む国公私立の岩手県内5大学で、専門科目を
除いた単位互換制度を02年度に始める。
秋田大は、学部の枠を超えた人材養成を目指す「特別教育コース」を創設す
るほか、付属研究施設の再編拡充も検討する。教官の任期制導入も検討材料と
している。